フランスのムゼアから、86年にカセットテープ・オンリーでリリースされた、ジャック・ロマンのソロ作品「メロディ・ボラーレ」からの4曲をボーナスで加えてのリシュー。パルサー(ピュルサー)はリヨン出身のグループで、ジャック・ロマンが中心となって74年に結成されている。70年代から国内盤LPもリリースされ、日本ではわりと知名度のあるフレンチ・プログレ・バンドの1つ。本作は、81年にフランスのテアトレ・デ・ラ・サティールからリリースされたフォース・アルバムで、メンバーは、ロマン、ジルベール・ギャンディル、ロラン・リシャール、ヴィクトル・ボシュの4人編成。パルサーといえばセカンドかサードで、本作はサントラ風だの散漫な印象だのと酷評されて、日本のプログレ巷一般では今だに評価が低い不遇的アルバム。確かに、本作と同タイトルの演劇のための音楽なので、ボーカルは歌というより台詞の語りに近く、冷たいキーボードとギターを中心とした絵画的なバックに語り的ボーカルが乗っかる、いわゆるサントラ風なのはその通り。ところがしかし、もしパルサー的サウンドなるものを、自分の耳とセンスのみで勝負する、文学的近未来SFワールドの具現と想定するならば、優れて瞑想的な本作はそれが最も成功したアルバムといえるかも知れず、全体に映像的な楽曲とロック然とした演奏が交叉する、正しくサイケで濃密なダーク感を堪能出来る。例えば、ロバート・シェクリーやロジャー・ゼラズニー辺りの文学世界にも通じる、クールなカッコよさとSF的情感を放っていて、わりと文句なしの好盤と思う。また、ボーナスの4曲も淡々と瞑想的でよかった。素晴らしい!。
輸入盤/デッドストック入荷
(Progressive/Symphonic,Meditaion / Jewel-case CD(2001) / Musea/France)
Jacques Roman(kbd,)
Gilbert Gandil(g,vo)
Roland Richard(fl,sax,p)
Victor Bosch(ds,per)
Peter Handke(compose)
Oierre Imbert(hdy-gdy)
Producerd by Pulsar
収録曲目
01.Il Fait Froid, Ici...
02.I)La Femme Au Bout Du Couloir /II)La Tempete, Encore /III)Accident-Vision /IV)Cri
03.Epreuve Numero Deux
04.Mirage De Neige
05.Sous Le Ciel Ou Courait La Tempete
06.Precautions Oratoires
07.La Luge Et La Limousine
08.I)Energie-Saga /II)Chanson Populaire De La Neige /III)Dernier Avertissement
09.Futurs Interieurs
bonus track(extracts from JACQUES ROMAN's Solo "Melodie Boreale" on 1986):
10.Silence D'Une Petite Fille
11.Croisiere
12.Perte De Vue
13.Melodie Boreale