フランスのル・トリトンから、デジパックでのリリース。バンド・オブ・ドッグスは、08年にコルホーゼ・プランタニュームで知り合っていたドラムのフィリップ・グレーズ(ex.カイロウ,オファリング,ネフェッシュ・ミュージック,etc)とベースのジャン・フィリップ・モレル(ex.バーズ・オブ・パラダイス,69,プリント,etc)が、15年頃に新たに結成したユニットで、リズム隊2人が作った曲をゲストを交えて演奏するという面白いスタイル。本作は、22年にリリースされたサード・アルバムで、前2作同様にある程度の期間(20年10月~21年2月)に渡って録り貯めたル・トリトンでのライヴ音源を、抽出&分解&コラージュ&エディットして制作。メンバーは、グレーズとモレルを核に、曲によってエマニュエル・ボルギ(ex.マグマ,ワン・ショット,etc)、ティエリ・エリエス(ex.マグマ,イトイズ,etc)、ジュリアン・デプレ、ファブリス・マルタンス、ローラン・バルデーヌ、マイク・ラッド、クローディア・ソラル等が適時参加。例えば、マグマ調ズール・ジャズロック感、ユニヴェル・ゼロ調チェンバー・ロック感、エトロン・フー調RIO系アヴァン・ロック感、アート・アンサンブル・オブ・シカゴ調フリー&スピリチュアル・ジャズ感辺りを、ポスト・ロック以降のオルタナ調センスで括ったようなサウンドを展開。全体に、スポンティニアスな空気感が支配的で、おそらく決まり事よりもある程度自由なインプロを軸とした演奏と思われるが、かといってフリー・フォームなカオティック方面でもなく、時折異様な盛り上がりを見せる炸裂感は圧巻。マグマやユニヴェル・ゼロのズール感はこのように受け継がれていくのかという感じで、ともかくもけっこう面白い。
輸入盤
(Progressive/Zeuhl Jazz Rock,Chamber Rock / Digi-Pack CD(2022) / Le Triton/France)
Philippe Gleizes(ds)
Jean-Philippe Morel(b,effects)
Emmanuel Borghi(el-p,cvnt)
Thierry Eliez(el-p,cvnt,vo)
Julien Desprez(g,effects)
Fabrice Martinez(tp,bugle,effects)
Laurent Bardainne(sax)
Mike Ladd(vo)
Claudia Solal(vo)
Produced by Le Triton
収録曲目
01.Simple Ain't Charming Anymore
02.Beyond The Dogs
03.Titanium Dogs
04.God Among Dogs
05.Dog Save The King
06.I Am A Cowboy In The Boat Of Ra
07.Cynopolis
08.Sarama
09.Hated By Gods, Eated By Dogs
10.Max Had A Problem
11.Dog Among Gods
12.Death To The Holy Dogs
13.Genji