ギリシアのサウンド・エフェクト・レコードから、3面開きデジパックでのリリース。ジュピター・ファンガスは、元ファザー・サンのアレス・パパトリアンタフィロウとフォティス・ゼニコダキス(ex.テレストンズ)が、12年にピレウスで新たに結成したスタジオ・プロジェクト・デュオ・ユニットを母体として、拠点の1つとしていたペンタグラム・スタジオ出入りのミュージシャンなどが加わってバンドに発展したらしい。本作は、24年にリリースされたファースト・アルバムで、メンバーは、パパトリアンタフィロウ、ゼニコダキス、ヨルゲ・エマヌイル、ヨルゲ・パパヨルギウ、ニック・ヴェルの5人編成。概ね、パパトリアンタフィロウのハモンド・オルガンとゼニコダキスのフルートを主軸としたヘヴィ・シンフォニック調サウンドを展開していて、随所に70年年代前半期のピンク・フロイドとジェスロ・タルの影が見え隠れする感じ。全体的にサイケ感も担保されていて、その意味ではジャーマン・クラウト方面にも通じるアングラ感が担保されているが、いわゆるプログレのツボを押さえた楽曲や演奏はそれなりに洗練されていて、わりと存外に聴きやすい。モロにフロイドやタルっぽい部分はちょっと笑っちゃったりもするが、バンド感十分のアンサンブルとよく練られたアレンジは上等で素直にカッコよく、ハード/サイケ調ギターのハマりも上々。いわゆる70年代懐古型スタイルの当世プログレ系として、まずもって楽しめる濃密な好盤と思う。
輸入盤
(Progressive/Psyche,Heavy Symphonic / Digi-Pack CD(2024) / Sound Effect Records/Greece)
Ares Papatriantafillou(kbd,g,vo)
Fotis "Mith" Xenikoudakis(fl,wsle)
George Emmanuel(el-g)
George Papageorgiou(b,ac-g,glocken)
Nick Vell(ds)
Produced by Unknown
収録曲目
1.Underdog
2.Circles (Theros/Metoporon/Chimon/Ear)
3.Past Ground
4.Thoughts Of Revenge