ポーランドのオスカー・プロダクションから、4面開きデジパックでのリリース。ミューゾゾイックはポーランドのウッチ出身のグループで、コンヌラット&トマシュ・マリニャク兄弟が中心となって14年頃に結成されたようだ。ジャズ・ロックとフュージョンをクロスオーヴァーさせた『ジャゾック/フューゾック・サウンド』を標榜、15年のメロマニ・ジャズ・アワードで新人賞を受賞、17年に自主制作盤デビューEP「テレパトロジカ」をリリースして本格的な活動を開始した。本作は、18年にリリースされたファースト・アルバムで、メンバーは、マリニャク兄弟、ウーカシュ・シュヴィデルスキのトリオ編成を基本に、曲によってピョートル・マトゥラ、マルタ・クリシャクが適時ゲスト参加、バンドのセルフ・プロデュース。わりと外連味のない、ど真ん中のバカテク・フュージョン・プログレ方面で、メロディアスさが担保された楽曲、プログレ調のアレンジ、洗練されたアンサンブルが、ジャズとロックの狭間を行く70年代的クロスオーヴァー感に収束。小難しい変拍子やポリリズム系はそれ程出て来なくて、恐ろしく高速という感じでもないが、リフやフレーズの重ね方、場面転換の工夫や意外性の妙がよく練られていて、ギター、ベース、ドラムの各パートのソロの回しも含め、盛り上がるところはちゃんと盛り上がるスタイル。全体に涼やかだが、どこかイモっぽさも同居しているところが面白く、バカテク系、フュージョン系、プログレ系の愛好家は、まずもって楽しめるのではと思う。
輸入盤
(Progressive/Jazz Rock,Fusion / Digi-Pack CD(2018) / Oskar Productions/Poland)
Konrad Maryniak(g,g-syn)
Tomasz Maryniak(b,warr-g,vo)
Lukasz Swiderski(ds,cymbal,vo)
Piotr Matula(kbd)
Marta Krysiak(vo)
Produced by Muzozoic
収録曲目
1.Metropolis
2.Postcard From Paris
3.Reflections
4.How Am I For Age?
5.Mastodont
6.Counting-Out Rhyme
7.Change Of The Seasons
8.Shortcut