国内のコアポートから、日本盤オンリー・ボーナス1曲を加えてのリリース。ハニャ・ラニはポーランドのグダニスク出身のピアニスト兼シンガー・ソング・ライター(SSW)で、フレデリックショパン音楽大学でピアノを学んだ後、チェリストで幼馴染のドブラヴァ・チョヘルとのデュオ・ユニットで15年にデビュー、映画音楽や舞台音楽も手掛けながら、19年にソロ活動も始めた。本作は、20年にUKのゴンドワナ・レコードからリリースされたソロ名義サード・アルバムで、19~20に制作した映画&フィルム作品用音源をコンパイルした内容。ライナーは渡辺享、邦題は「ミュージック・フォー・フィルム・アンド・シアター」。基本的には、ピアノ、シンセ&キーボード、ボーカル、プロデュース兼任のハニャ1人による多重レコーデインングを軸に、曲によってカロリナ・グロフスカ、コルネリア・グロンツカ、アグニエシュカ・ポドウツカ、マウゴジャタ・シドウォフスカ、マチェイ・ドブジャンスキ、マテウシュ・ウァシウチョネク等々の弦楽クァルテット&クィンテットが適時参加。多くはインストだが、前作「ホーム」の空気感がほぼそのまま担保されていて、ミニマル、アンビエント、エレクトロニクス、ハウス等の要素が交叉する、内省的で湿った質感のサウンドを展開。前面には出ないエレガントなクラシック基調の楽曲が、プログレ色を内包した淡い情感に収束していて、柔らかいサウンドスケープがともかくも心地好い。全体にヨーロッパ的くぐもり感十分で、静謐で美しい好盤と思う。素敵!。
コアポート盤
(Progressive/Minimal,Chamber,Electronics,Classic / Jewel-case CD(2021) / Core Port/Japan)
Hania Rani(p,syn,kbd,vo)
Malgorzata Szydlowska(cello)
Maciej Dobrzanski(d-b)
Agnieszka Podlucka(vla)
Karolina Gutowska(vln)
Kornelia Gradzka(vln)
Alicja Kozak(cello)
Mateusz Wasiucionek(vla)
Produced by Hania Rani
収録曲目
01.Prayer (From xAbo: Father Boniecki)/プレイヤー (from クサボ:ボニェツキ神父)
02.In Between (From xAbo: Father Boniecki)/イン・ビトゥイーン (from クサボ:ボニェツキ神父)
03.Journey (From xAbo: Father Boniecki)/ジャーニー (from クサボ:ボニェツキ神父)
04.Trip To Ireland (From I Never Cry)/トリップ・トゥ・アイルランド (from アイ・ネヴァー・クライ)
05.The Beach (From I Never Cry)/ザ・ビーチ (from アイ・ネヴァー・クライ)
06.The Locker Room (From I Never Cry)/ザ・ロッカー・ルーム (from アイ・ネヴァー・クライ)
07.At The Hospital (From I Never Cry)/アット・ザ・ホスピタル (from アイ・ネヴァー・クライ)
08.Waiting (From At Home)/ウェイティング (from アット・ホーム)
09.Wildfires (From Truth in Fire)/ワイルド・ファイアーズ (from トゥルース・イン・ファイア)
10.Ghosts (From Pradziady)/ゴースツ (from プラジャディ)
11.Soleil Pale/ソレイユ・パァル (from ソレイユ・パァル)
12.Nora (From Nora)/ノラ (from ノラ)
bonus track(Japan only):
13.The Thaw/ザ・ソー (from プラジャディ)