ポーランドのジャストフォーキックスから、デジパックでのリリース。フレンはポーランドのクラクフ出身のグループで、オスカル・センキエ(ex.フラクタル,etc)やアンドルー・シャマノフが中心となって17年に結成されている。本作は、22年にリリースされたセカンド・アルバムで、おそらく本人達の自主レーベルからの自主制作盤。メンバーは、前作と同じセンキエ、シャマノフ、ミハウ・ハロタ、オレクセイ・フェドリフの4人編成。概ね、ヘヴィ・シンフォニック調インスト・プログレを展開していて、例えば「太陽と戦慄」~「レッド」期のキング・クリムゾン的ダークネスと、90年代以降のポスト・ロック的ソリッド感が交叉するサウンド。とはいうものの、あからさまなクリムゾン的リフ&フレーズはなく、メロトロンの使い方も洗練されていて、その意味ではアネクドテン方面のゴリゴリなクリムゾン・コンプレックス系オルタナ感とは趣を異にする。何というか、クリムゾンの「放浪者」や「スターレス」辺りのドラマティックな情感をあえて眺望しているような印象で、その70年代ブリティッシュ・ロック的抒情の湿った質感と乾いたポスト・ロック感のマッチングが、結果として独特の味わいを生んでいる感じ。この、ベタではないが泣きを軸とした正調シンフォニック・プログレ感は、クリムゾン云々というよりもっと幅広いブリティッシュ・ロックへの憧憬なのかも知れず、全体に漂う淡い郷愁感とくぐもり感は、意外に現在50代以上の往年のプログレ愛好家も楽しめるだろう当世風プログレ系の好盤と思う。
輸入盤
(Progressive/Heavy Symphonic,Post Rock / Digi-Pack CD(2022) / Justforkicks/Poland)
Michal Chalota(g)
Oskar Cenkier(p,org,syn,mltrn)
Andrew Shamanov(b,syn)
Oleksii Fedoriv(ds,per)
Produced by Unknown
収録曲目
1.Hammill
2.Wiosna
3.Romantik
4.Bajka
5.All The Pretty Days
6.Turque