USA/EUのマーキュリー/アンセム・レコードから、97年新規リマスターでのリシュー。ラッシュはオンタリオ州トロント出身のグループで、アレックス・ライフソンが中心となって68年に結成されている。74年のデビュー以降、ハード、プログレ、メインストリーム系の狭間でバカテク・サウンドを追求した、押しも押されぬビッグ・ネーム。本作は、75年にカナダのアンセムからリリースされたセカンド・アルバムで、確か邦題は「夜間飛行」。メンバーは、ライフソン、ゲディ・リー、ニール・パートのトリオ編成で、バンドとテリー・ブラウンの共同プロデュース。前作「閃光のラッシュ」後にジョン・ラトジーが抜けて、作詞も担当するパートが新たに加入、いわゆる黄金期の3人となった最初の作品で、B級ハード色と情感プログレ色が煮え切らないままに交叉しつつ、全体がバカじゃないの的バカテク感に収束。常に何かしらのフレーズを叩いているようなドラム、饒舌でドライヴ感十分のベース、流暢な弾きまくり感のギターが、一体となってグイグイ押してくるアンサンブルは、ともかくもバカテクで素直にカッコよく、ハイテンションな炸裂感は圧巻。70年代当時、ハイトーンの声とシンギングが似ていて同じトリオ編成たっだからか、バッジーと対比されることもあったが、ラッシュはあまりブルースを基調としないカラっとした曲調が多く、バッジーとは趣と方向性が違っていた印象。スカっと突き抜けたバカテク・ハード系の好盤と思う。おそらくドイツ・プレス盤
輸入盤
(Pop Hard/Progressive / Jewel-case CD(1997 Re-master) / Mercury/Anthem/USA)
Alex Lifeson(el-g,ac-g,12-g)
Geddy Lee(vo,b,cl-g)
Neil Peart(ds,per)
Produced by Rush & Terry Brown
収録曲目
1.Anthem
2.Best I Can
3.Beneath, Between & Behind
4.By-Tor & The Snow Dog:
I)At The Tobes Of Hades/ II)Across The Styx/ III)Of The Battle/ IV)Epilogue
5.Fly By Night
6.Making Memories
7.Rivendell
8.In The End