フランスのレプリカ/ムゼアから、限定アナログLPでのリシュー。180g重量ヴィニール使用のLP盤で、インナーバック入。メタボリスムはプロヴァンス地方コート・ダジュール地域圏マントン出身のグループで、ロベール・デュランテとティエリ・スカデュトが中心となって60年代末頃に結成されている。当初はレッド・ツェッペリン・タイプのハード・ロック・バンドだったが、次第にアンジュやモナ・リザに影響を受けてプログレを志向するよになり、アンジュのマネージャーのジャン・クロード・ポニャンが設立したクリプト・ レーベルから、77年に唯一のアルバムとなる本作をリリースした。メンバーは、ロベール・デュランテ、ティエリ・スカデュト、ジャッキー・ポワヨー、カルミーヌ・ヴェルサージュの4人編成で、プロデュースはクリプト・レーベル。概ね、ヘヴィ・シンフォニック・プログレと呼べるサウンドを展開しており、イモっぽい郷愁感の情感、畳み掛けるアレンジ、シンフォニック・プログレ然とした長尺の楽曲など、わりと典型的なフレンチ・プログレという印象。例えば、アンジュやモナ・リザからシアトリカルな要素を除いて、よりリリカルな方面に寄せたような感じで、ハード色や派手さも薄いがくどさはある程度担保されている。フランス語ボーカル特有の煮え切らなさや、ベターっとしたエレキ・ギターと美しいアコースティック・ギターの同居、ストリングス系キーボードの多用も含め、いかにもフランス的な暗く湿った系のモワ~っとした浮遊感も十分。その線でいけば、例えばメモリアンスやパンタクル、カルプ・ディアン、さらには80年代の日本のプログレ辺りにも近似すると云えるかも知れず、その線の愛好家は楽しめると思う。
輸入盤/限定プレス
(Progressive/Heavy Symphonic / 180g Vinyl LP(2017) / Replica/Musea/France)
Robert Durantet(g,vo)
Thierry Scaduto(kbd,vo)
Jackie Poillot(b)
Carmine Versage(ds)
Produced by Crypto
収録曲目
Face A:
1.Apotres Et Martyrs
2.Tempus
Face B:
1.Khoros
2.Nadia
3.La Danse Des Automates