UKのラ・コッカ・ラッチャ/ヴォイスプリントからのリリース。ジュリー・ティペッツ(ドリスコール)はロンドン出身のシンガー・ソング・ライター(SSW)で、ブライアン・オーガー&ザ・トリニティ等で活動後、70年にキース・ティペットと結婚してドリスコールからティペッツに改名した。本作は、99年にリリースされたティペッツ名義セカンド・アルバムで、ソロ名義作としては3作目。ヴォーカル、ヴォイス、チター、カリンバ(サム・ピアノ)、リコーダー、ウインド・チャイムス、マンドリン、二胡等を駆使した、ジュリー1人による多重レコーディングで、実験色の強いアヴァン・ギャルドな即興演奏から、練り上げたアレンジの多重ハーモニー・コーラス曲まで、わりとヴァリエーションに富んだ内容。鳥や生き物が喋ってるような鳴声方面、チョークで黒板を引っ掻くような方面のノイジーなヴォイス ・パフォーマンスに、適時前述の楽器群が絡むアヴァン・ギャルド曲は、変態的なキレテツ感と無垢な子供っぽさが同居。ある程度アレンジされた無伴奏ハーモニー・コーラス・シンギング曲は、ブルガリアン・ヴォイスやホーミーの唱法も適時取り入れた素直に美しいかカッコいいものが多く、ある意味トラッドとブルースの要素が交叉する感じのくぐもり感十分。全体が古代儀式調の原初的スピリチュアル感に収束する、正しくサイケで濃密なサウンドで、広く一般受けするタイプではないかも知れないが、ある程度年季の入ったリスナーはけっこう楽しめるだろう好盤と思う。面白い!。
輸入盤/デッドストック入荷
(Progressive/Psyche,Experimental,Jazz / Jewel-case CD(1999) / La Cooka Latcha/Voiceprint/UK)
Julie Tippetts(vo,voice,zither,klba,rcdr,bell,wind-chimes,finger snaps,er-hu,mdln)
Produced by Unknown
収録曲目
01.Debris Collection
02.Feathered Fragment
03.Song Of Solidarity
04.Out Of The Fire
05.Reflection
06.Lament
07.What Is?
08.Torch Song
09.Passion And The Butterfly Kiss
10.Hundred Waters
11.Dream Dance
12.Shadow Puppeteer
13.Midnight Shuffle
14.Dalinian Landscape
15.Autumn Lullaby
16.Candle Dance
17.Into The Forest