UKのブリティッシュ・プログレッシヴ・ジャズから、23年新規レストア&リマスター、デジパックでのリリース。グラハム・コリアーはノーサンバーランド州タインマス出身のベーシスト兼コンポーザーで、軍楽隊を経てボストンのバークリー音楽大学に入学、63年にイギリス人初の同校卒業生となって帰国、以後はセプテット、セクステット、ミュージック等々、自身のグループを率いて活動したブリティッシュ・ジャズのビッグ・ネーム。本作は、70年8月(7曲目)と71年7月(1- 6曲目)にロンドンでレコーディングされたグラハム・コリアー・ミュージック名義の未発表音源で、メンバーは、コリアー、ジェフ・キャッスル(ex.ニュークリアス,etc)、ジョン・ウェッブ、ハリー(ハロルド)・ベケット、アラン・ウェイクマン(ex.ソフト・マシーン,etc)、ボブ・サイダー、デレク・ワッズワース(ex.ロック・ワークショップ,etc)、アート・シーメンの9人編成。71年のほうは、ウエスト・ヨークシャー州ブラッドフォードの、ブラッドフォード・アート・フェスティバルからの依頼を受けて制作したマテリアルということらしく、ブラッドフォードやヨークシャー出身の作家J.B.プリーストリー、詩人テッド・ヒューズなどの詩や文章(産業革命による環境汚染問題や自然への回帰を主張する内容)のリーディングと、湿ったユーロ・ジャズ的夕暮れ感が担保されたメロディアスなジャズ・アンサンブルがよいマッチングを見せる。70年のほうも全く同じメンバーだが、おそらく71年の原曲となった曲なのではと思われる26分程度のマテリアルで、もしかしてアート・フェスからの依頼は70年の時点だったのかも知れない。どちらも、わりと空気感のよい好盤と思う。
輸入盤
(Progressive/Jazz,Jazz Rock / Digi-Pack CD(2024 '23Re-master) / British Progressive Jazz/UK)
Graham Collier(d-b)
Geoff Castle(p)
John "Chick" Webb(ds)
Harry Beckett(tp,fl-hrn)
Alan Wakeman(sax)
Bob Sydor(sax)
Derek Wadsworth(tb)
Art Themen(sax)
John Carberry(narrator)
Produced by Unknown
収録曲目
1.The Good Companions
2.In a Manufacturing Town
3.Pennines In April
4.Wind
5.Old Established Bradford Mill Owners
6.The Horses
7.Where Will they Put The Blue Plaque Now?