UKのグレイスケールから、21年新規リマスターでのリシュー。ジュリー・ドリスコール(ティペッツ)はロンドン出身のシンガー・ソング・ライター(SSW)で、ブライアン・オーガー&ザ・トリニティ等で活動後、70年にキース・ティペットと結婚してドリスコールからティペッツに改名した。本作は、71年にUKポリドールからリリースされたソロ名義ファースト・アルバムで、レコーディングは69年。メンバーは、ボーカル&アコースティック・ギターのジュリーを軸に、ティペット、マーク・チャリグ、ニック・エヴァンス、エルトン・ディーン、ジェフ・クラインのキース・ティペット・グループ組、ブライアン・ゴディング、ジム・クリーガン、ブライアン・ベルショウ、バリー・リーヴスのブロッサム・トゥズ組の他、クリス・スペディング、カール・ジェンキンス、ボブ・ダウンズ、トレヴァー・トムキンス、スタン・サルツマン等々が曲によって適時参加、プロデュースはジョルジオ・ゴメルスキー。概ね、ボーカル入ジャズ・ロック方面のサウンドを展開していて、独特の英国的くぐもり感を内包したジュリーのボーカル&楽曲と、ブルース基調だがあまり泥臭くないバックの演奏が、わりといい塩梅のバランスで同居。フォーク、ジャズ・ロック、ブルース、サイケの各要素が、ジュリーを媒介としてゴッタ煮的に交叉しながらも、ある種のプログレ感とモンド感、アンバーかつアンニュイな情感に収束する感じは非常に面白く、バンド感が担保された演奏のハマりも上々。この線としては素直にカッコいい好盤と思う。
輸入盤
(Progressive/Jazz Rock,Blues,SSW / Jewel-case CD(2021 Re-master) / Greyscale/UK)
Julie Driscoll(vo,ac-g)
Keith Tippett(p,clst)
Chris Spedding(g,b)
Brian Godding(g)
Jim Creegan(g)
Brian Belshaw(b)
Jeff Clyne(b)
Trevor Tompkins(ds)
Barry Reeves(ds)
Mark Charig(cornet)
Bud Parkes(tp)
Nick Evans(tb)
Derek Wadsworth(tb)
Elton Dean(sax)
Stan Saltzman(sax)
Bob Downes(fl)
Karl Jenkins(oboe)
Produced by Georgio Gomelsky
収録曲目
1.A New Awakening
2.Those That We Love
3.Leaving It All Behind
4.Break Out
5.The Choice
6.Lullaby
7.Walk Down
8.I Nearly Forget-But I Went Back