イタリアのヴィニール・マジックから、3面開きデジパック&08年リマスター盤のレストア音源でのリシュー。開くとメンバー達の写真が「!(ビックリ・マーク)」の形にコラージュされている。音質はクリアで迫力もあって非常によい。オザンナはナポリ出身のグループで、69年にダニーロ・ルスティチ、リノ・ヴァイレッティ、レオ・ネロ等を中心に結成されたチッタ・フロンターレを母体としている。70年にレオ・ネロが抜けて(72年にイル・バレット・ディ・ブロンゾに加入)、当時ショウメンに在籍していたエリオ・ダーナが、残ったメンバーと新しいロック・ミュージックを目指すことで意気投合、チッタ・フロンターレの発展的バンドとしてオザンナ結成となる。本作は、71年にイタリアのフォニット・チェトラからリリースされたファースト・アルバムで、メンバーはダニーロ、リノ、エリオ、レッロ・ブランディ、マッシモ・ジュアリーノの5人編成、プロデュースはマッシモ・ベルナルディ。鮮やかな地中海トラッドの香りを放つ、美しくて哀愁のある12弦ギターのアルペジオやボーカル・ライン、ブルージー&ヘヴィなエレキ・ギターと管楽器、重くドライヴするリズム隊が創り出すサウンドは、地中海トラッドとブルージー&サイケなセンスがミックスされた、かなり独特のカッコよさを醸し出していて、ナポリ的暗黒感も相俟ったイタリアン・ヘヴィ・プログレの文句なしの好盤と思う。このギラギラ感十分のサイケ&ブルース色は、イタリアン・ロックの中では珍しく異端的だが、地中海音楽の要素とせっかちなヘヴィネスがどうしようもなくイタリア的というか、非常に稀有な融合の成功例かも。イタリアン・ロックを聴くなら、ともかくもこのバンドははずせない。カッコよし!。TESオビ・解説/人脈図付
輸入盤
(Progressive/Blues,Hard,Psyche / Digi-Pack CD(2023 '08Re-master) / Vinyl Magic/Italy)
Danilo Rustici(g,org,oscillator)
Lino Vairetti(vo,g,org,syn)
Elio D'anna(fl,sax)
Lello Brandi(b)
Massimo Guarino(ds,per)
Producerd by Massimo Bernardi
収録曲目
1.Introduzione/イントロダクション
2.L'Uomo/ルオーモ
3.Mirror Train/ミラー・トレイン
4.Non Sei Vissuto Mai/我はどこに
5.Vado Verso Una Meta/希望に向かって
6.In Un Vecchio Cieco/光りなき世界
7.L'amore Vincera Di Nuovo/新たな希望につつまれ
8.Everybody's Gonna See You Die/幸せな終末
9.Lady Power/レディ・パワー