イタリアのオーヴァードライヴ・レコードから、CD+ DVDの2枚組&3面開きデジスリーヴでのリリース。グッドバイ・キングスはミラノ出身のグループで、ピアニスト兼コンポーザーのルカ・スグエラと、ドラマー兼エンジニアのマッテオ・ラヴェッリが中心となって14年に結成されている。本作は、22年にリリースされた(おそらく)フォース・アルバムで、メンバーは、スグエラ、ダヴィデ・ロマニョーリ、ダニエーレ・ベッティーニ、リッカルド・バルツァリン、ルカ・アッロッカ、ダヴィデ・ボセッリ、ステファノ・グラッソ、フランチェスコ・パンコネージ、アレッサンドロ・ソラーノ、ジュリオ・ガリバリッジの10人を中心に、曲によって管楽器隊やダブル・ベース等が適時ゲスト参加。ゲストも入れると総勢16人ともなるラージ・アンサンブルで、ドローンやノイズの要素を内包したプログレ調の楽曲を、フリー・ジャズとポスト・ロックの狭間をいく演奏で展開。あまり今までになかったタイプというか、ギターを軸としたノイジーなドローン色と、静謐で美しいピアノやジャジーな管楽器の情感、内省的な曲調、ポスト・ロック調のソリッドなリズム隊のマッチングはかなり新鮮。全体にインプロ中心のセッション感だが、フリー・フォームという程にアヴァンギャルドではなく、核となるリフやフレーズ、テーマとなるメロディらしきものを踏まえた崩し方で、ドローン感を担保したまま鋭角な演奏でダイナミズムを構築するアンサンブルは見事。透徹感十分のカッコいい好盤で、年季の入ったプログレ系リスナーならけっこう楽しめると思う。DVDは本作収録曲をフィーチャーした映像が収録されているらしく、PAL/R0なのでPAL対応DVDプレイヤーかパソコンで観れる。
輸入盤
(Progressive/Psyche,Post Rock / Digi-Sleeve CD(2022)+DVD(PAL/R0) / Overdrive Records/Italy)
Luca Sguera(p,syn,per)
Davide Romagnoli(el-g,ac-g)
Daniele Bettini(p)
Riccardo Balzarin(sl-g)
Luca S. Allocca(el-g,syn)
Davide Boselli(b)
Stefano Grasso(ds,per)
Francesco Panconesi(sax)
Alessandro Solano(clnt)
Giulio Galibariggi(tb)
Alberto Introini(tuba)
Jacopo Fagioli(tp,alt-hort,tb)
Nicolo Masetto(d-b)
Federico D'Angelo(sax,clnt,tuba)
Federico De Zottis(sax)
Il Lorenz(additional-g)
Produced by Unknown
収録曲目
1.Part I - Autumn
2.Part II - Winter
3.Part III - Spring
4.Part IV - Summer
5.Part V - Autumn...again