韓国のビッグ・ピンク・ミュージックから、20年新規リマスター&ペーパースリーヴでのリシュー。コーティング紙ジャケ仕様、リリック・インサート入、オビ付。ランディ・パイはハンブルク出身のグループで、元ラットルズのディッキー・タルラッハやマンフレート・ティジー・ティエール(ガッシュ経由)が中心となって73年に結成されている。当時のジャーマン・ロックにはわりと珍しい、ブルース、ファンク、ソウル、プログレのゴタ混ぜハード&ポップ系サウンドを展開した。本作は、74年にドイツのポリドールからリリースされたセカンド・アルバムで、メンバーは、前作からのタルラッハ、ティエール、ベルント・ヴィピッヒ、ヴェルナー・ベッカーの4人に、新たにジャン・ジャック・クラヴェッツ(ex.フランピィ,etc)、ヨッヘン・ペーテルゼン(ex.イカルス,etc)を加えた6人編成を基本に、曲によってフォルカー・ハインツェンがゲスト参加、ストリングス・アレンジはクラヴェッツ。ハードネスはある程度担保しつつも、前作にも増してファンク色が強くなっていて、ほとんどドイツのバンドとは思えない洗練されたポップネスを放つ。ハード・ロックというよりハード・ファンクといった印象だが、マイナー展開のブルージーなナンバーが多くて脳天気さはなく、アメリカンなファンク色とヨーロッパ的な湿った情感がいい塩梅のマッチングを見せる。1曲目のイントロの2台のエレピの絡みでノックアウトされる、真っ当なアレンジと上手い演奏の好盤と思う。
輸入盤
(Blues Hard/Pub Rock,Funk,Blues,Soul / Paper-Sleeve CD(2020 Re-master) / Big Pink Music/Korea)
Bernd Wippich(vo,g,per)
Werner Becker(p,org,el-p,kbd,vo)
Jean Jacques Kravetz(el-p,cvnt,kbd,vo)
Jochen Petersen(g,sax,fl,per,vo)
Manfred Thissy Thiers(b,per,vo)
Dicky Tarrach(ds,per)
Volker Heintzen(voice)
Strings Arranged by Jean Jacques Kravetz
Produced by Randy Pie
収録曲目
1.Microfilm
2.Super Sid
3.Highway Driver
4.Winter Song
5.It's A (Civilised) World
6.Sophisticated
7.Time Machine