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UK/EUのエソテリック・レコーディングスから、未発表曲1曲をボーナスで加えての、24年新規リマスター＆デジパックでのリシュー。音質はクリアでよい。アンソニー・フィリップスはロンドンのチジック地区出身のギタリスト兼マルチ奏者で、何よりジェネシスの初代メンバーとして知られていると思う。ツアーの連続に疲れ自分のペースで音楽をやりたいと70年セカンド「侵入」後にジェネシスを脱退後、みっちり音楽理論を学び70年代後半からソロ活動を始めた。ハリー・ウィリアムソンはデヴォン州出身のギタリスト兼マルチ奏者で、82年にオーストラリアのメルボルンに移住、何よりマザー・ゴングやゴングメイソン、ニック・ターナーズ・スフィンクス等での活動で知られていると思う。本作は、94年にUKブループリントからリリースされたデュオ名義セカンド・アルバムだが、75～78年にサリー州センド・バーンズでレコーディングされていた、2つの組曲を収録した発掘音源集で、メンバーは、プロデュース兼任のフィリップスとウィリアムソンの2人。78年3月の「ジプシー組曲」は、フィリップスの12弦とウィリアムソンの6弦のギター・デュオで、ジェネシスに通じる美しいコード感とアルペジオの重なりを軸とした、エレガントなまどろみ系サウンドを堪能出来る。75年5月と76年4月の「タルカ組曲」は、88年に再録音されデュオ名義ファーストとしてリリースされた「タルカ：ヘンリー・ウィリアムソンの小説『カワウソのタルカ』より」のデモ音源で、ギター、グリッサンド・ギター、ピアノ、オルガン、エフェクト等々を使った、ミニマル色内包のアンビエント調サウンド。どちらも、クラシカルな要素をを踏まえた楽曲とアレンジが流していて非常に心地好く、フォーキー・プログレとしても成立している好盤と思う。
輸入盤
(Progressive/Folk,Ambient,Classic / Digi-Pack CD(2024 Re-master) / Esoteric/UK,EU)
Anthony Phillips(12-g,g,p,org,syn,per)
Harry Williamson(g,gliss-g,b,p,autoharp,per,effects)
Produced by Anthony Phillips & Harry Williamson
収録曲目
"Gypsy Suite(March 1978 at Send Barns):
1.Movement I: First Light
2.Movement II: Siesta
3.Movement III: Evening Circle
4.Movement IV: The Crystal Ball
"The Tarka Demos(May 1975 - April 1976 at Send Barns)":
5.Movement I: The Early Year
6.Movement II a: Streams River And Salmon Hunting
7.Movement II b: Dunes & Estuary
8.Movement II c: Moonfield - Postscript
9.Movement III: The Hunt (bonus track/unreleased)
