USAのスピリット・ハウス・レコードから、デジパックでのリリース。ジョアンナ・ウォーレンはフロリダ州セントピーターズバーグ出身の女性シンガー・ソング・ライター(SSW)で、大学在学中にスティックリップスを結成、09,12年にインディーズで2枚のアルバムをリリースして解散、13年にソロ活動に転じた。現在はオレゴン州ポートランドを拠点としているらしい。本作は16年にリリースされたソロ名義サード・アルバムで、メンバーは、ボーカル、ギター、ベース、ハーモニウム、メロトロン、ヴィブラフォン、フルート等々のジョアンナと、ピアノ・オルガン、シンセ、ハーモニー・ボーカル等々のベラ・ブラスコーの2人を基本に、曲によってドラムやチェロが適時ゲスト参加、ベラとジョアンナの共同プロデュース。概ね、ポスト・ロック的エレアコ感を基調としたサウンドを展開していて、郷愁感を内包した嫌味のないメロディアスさが、アシッド・フォーク調の内省的空気感に収束。可愛いさとお転婆感が同居するジョアンナの声とボーカルは、上手くはないが雰囲気十分で、バックの的を射たプログレ的サウンドメイキングと、非常によいマッチングを見せる。淡い情感、いい塩梅のリバーヴ処理による浮遊感、オルタナ的冷たさ等々、この線としては素直に上等で流していて心地好く、ソリストとしての知名度は薄くてスリーヴと内容のイメージが違う感じではあるが、楽曲のよさも含め好盤と思う。
輸入盤
(Folk&Folk Rock/SSW,Acid Folk,Progressive / Digi-Pack CD(2016) / Spirit House/USA)
Johanna Warren(vo,g,b,per,fl,hnum,mltrn,vib,syn)
Bella Blasko(p,org,mltrn,syn,vo)
Jim Bertini(ds)
Jane Scarpantoni(cello)
Produced by Bella Blasko & Johanna Warren
収録曲目
1.A Bird In The Crocodile's Mouth
2.Hungry Ghost
3.Let Me Stay
4.The Blessing/The Curse
5.Circlenot Astraight
6.There Is A Light
7.Glukupikron
8.Little Red Lines
9.White Owl