UK/EUのサーティ・タイガース/エヴリワン・サングから、見開きデジスリーヴでのリシュー。エミリー・バーカーはオーストラリアのブリッジタウン出身のシンガー・ソング・ライター(SSW)で、02年に渡英してロブ・ジャクソンと共にザ・ロー・カントリーを、07年にはジル・サンデル等とエミリー・バーカー&ザ・レッド・クレイ・ヘイローを結成、イギリスとオーストラリアを行き来してソロと並行活動していたが、11年以降はスコットランドのグラスゴーを拠点としているようだ。本作は、19年にリリースされたソロ名義フォース・アルバムで、メンバーは、エミリー、ピート・ロー、ルーカス・ドリンクウォーター、ロッド・ペンバートンの4人を中心に、曲によってグレッグ・フリーマン、エミリー・ホール、ミーシャ・ロウ等が適時参加、プロデュースはフリーマン。概ね、アコギやウッド・ベース、ヴァイオリン、ヴィオラ等の湿ったブリティッシュ的アンバー感と、テレキャスっぽいエレキ・ギターやバンジョー等のスワンピーなカラッとした響きが、何ともいい塩梅のバランスで交叉するサウンドを展開。明る過ぎず暗過ぎずの楽曲と優しいメロディ、シンプルで的を射たアレンジとボーカルに寄り添うアンサンブルが、素朴な浮遊感を担保しつつ淡いセピア系の情感に収束。この、全体に漂う前に出ない感じのトラッド的佇まいと寸止め感を美しいと感じるなら、ある程度歳を取ったということかも知れないが、柔らかい涼やかさがともかくも流していて心地好い好盤と思う。女性SSW系としては勿論、ルーツ系としても普通に成立していていい感じ。
輸入盤
(Folk&Folk Rock/SSW,Swamp,Folk / Digi-Sleeve CD(2020) / Thirty Tigers/Everyone Sang/UK,EU)
Emily Barker(vo,ac-g,bjo,p,per)
Pete Roe(p,kbd,el-g,ac-g,per,vo)
Lukas Drinkwater(b,d-b,el-g,syn,per,vo)
Rod Pemberton(ds,syn,programming,per,vo)
Greg Freeman(programming)
Emily Hall(vln)
Misha Law(vla)
Produced by Greg Freeman
収録曲目
01.Return Me
02.Geography
03.The Woman Who Planted Trees
04.Where Have The Sparrows Gone?
05.Strange Weather
06.Machine
07.When Stars Cannot Be Found
08.Ordinary
09.Any More Goodbyes
10.Sonogram