ドイツのレパートリーからのリシュー。キャラヴァンはケント州カンタベリー出身のグループで、ワイドル・フラワーズの発展的解散の産物として、最後のメンバーだったパイ・ヘイスティングス、リチャード・シンクレア、リチャード・コフランを軸に68年に結成された。ソフト・マシーンやゴング、エッグと共にカンタベリー人脈の柱の1つで、幾度かの活動休止期間を経ながらも現在も活動を続けるビッグ・ネーム。本作は、75年にUKデッカからリリースされたセヴンス・アルバムで、邦題は確か「ロッキン・コンチェルト」。メンバーは、前作からのパイ・ヘイスティングス、デイヴ・シンクレア、リチャード・コーラン、ジェフ・リチャードソンに、新たに元カーブド・エアのマイク・ウェッジウッドを加えた5人編成で、バンドとデヴィッド・ヒッチコックの共同プロデュース。前作にも増してジャズ・ロック色が後退し、よりはっきりとポップネスが全面に顕われていて、当時ポップ過ぎるとファンからソッポを向かれたようだが、嫌味なくキャッチーでメロディアスな楽曲群と、英国然としたジャジーな演奏が交叉する非常に心地好いサウンド。何より、ウェッジウッドの奏でるベースの太くて鋭角な音と、オクターヴを基本とした流れるように美しいラインが素晴らしい。英国然とした落ち着いた佇まいが味わい深い1曲目、濃密なアンサンブルのプログレ然とした6曲目の組曲などなど、演奏はわりと文句なしにカッコよく、上質なシンフォニック・プログレのエッセンスと、カンタベリー然としたエレガントさが絶妙のマッチングを見せる大好盤と思う。
輸入盤/デッドストック入荷
(Progressive/Symphonic,Pops,Canterbury / Jewel-case CD(1994) / Repertoire/German)
Pye Hastings(vo,g)
Geoff Richardson(vla,g,fl)
Dave Sinclair(kbd)
Mike Wedgwood(b,per,vo)
Richard Coughlan(ds)
Produced by David Hitchcock & Caravan
収録曲目
1.The Show Of Our Lives
2.Stuck In A Hole
3.Lover
4.No Backstage Pass
5.Welcome The Day
6.The Dabsong Conshirtoe
a.The Mad Dabsong
b.Ben Karratt Rides Again
c.Pro's & Con's
d.Wraiks And Ladders
e.Sneaking Out The Bare Quare
f.All Sorts Of Unmentionable Things
7.The Fear And Loathing In Tollington Park Rag