UKのエソテリックから、12年新規24ビット・リマスターでのリシュー。音質はクリアでよい。ロバート・ワイアットはブリストル出身のドラマー兼シンガー・ソング・ライター(SSW)で、63年のデイヴィッド・アレン・トリオ、64年のザ・ワイルド・フラワーズを経て、66年にソフト・マシーンを結成した。70年にソフツを脱退して71年に新たにマッチング・モウルを結成、73年に自宅の3階の窓からの落下事故で車椅子の人となってからも淡々と活動を続ける、カンタベリー・ロックの最も太い柱となるミュージシャンの1人。本作は、ソフツ脱退後の70年にUKのCBSからリリースされたソロ名義ファースト・アルバムで、ドラム、声、ピアノ、オルガンのワイアットを中心に、デイヴ・シンクレア(ex.キャラヴァン)、マーク・チャリグ(ex.キース・ティペット・グループ,etc)、エルトン・ディーン(ex.ソフト・マシーン,ナインセンス,etc)、ネヴィル・ホワイトヘッド(ex.キース・ティペット・グループ,etc)、マーク・エリッジ(ワイアットの実兄)、シリル・エアーズ等々が曲によって参加。ワイアットのエフェクトをかましたドラムの叩き語りが炸裂する、1,9曲目のギル・エヴァンスのカヴァーを始めとして、初期ソフツの実験色をさらに強くしたようなサウンドを展開していて、この参加メンバーから重厚なソフツ的ジャズ・ロックを期待してスカされた人も多いかも知れない。全体にピアノとドラム&パーカスを軸に、管楽器やウッドベースが飛び交い、エフェクト・ハミング・ボーカルが浮遊する非常に正しくサイケな前衛ジャズ的サウンドで、カオティックで分かりやすくはないが、ある意味クールかつ変テコでとても面白い。これは明らかにトビニンの所業によるサウンドと思う。
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輸入盤
(Progressive/Psyche,Canterbury,Strange / Jewel-case CD(2012 24bit Re-master) / Esoteric/UK)
Robert Wyatt(ds,vo,p,org)
Dave Sinclair(org)
Marc Charig(cornet)
Elton Dean(sax)
Mark Ellidge(p)
Cyril Ayers(per)
Neville Whitehead(b)
Produced by Robert Wyatt
収録曲目
1.Las Vegas Tango Part One
2.To Mark Everywhere
3.To Saintly Bridget
4.To Oz Alien Daevid And Gilly
5.To Nick Everyone
6.To Caravan And Brother Jim
7.To The Old World (Thank You For The Use Of Your Body)
8.To Carla, Marsha And Caroline (For Making Everything Beautifuller)
9.Las Vegas Tango Part One