UKのエソテリックから、69年のアルバム未収シングル両面2曲(13,14曲目)と、「シンフォニーNo.2」の中でオリジナルではカットされていた「サード・ムーヴメント(11曲目)」をボーナスで加えての、08年新規リマスターでのリシュー。音質もクリアでよい。エッグは、ユリエル(aka.アザッケル)からスティーヴ・ヒレッジがケント大学進学の為に脱退後、残ったデイヴ・スチュワート、モント・キャンベル、クライヴ・ブルックスの3人が68年に新たに結成したグループで、ソフト・マシーンやゴング、キャラヴァンと共にカンタベリー人脈の根幹を成すバンドの1つ。本作は、70年にUKデラム・ノヴァからリリースされたファースト・アルバムで、メンバーは、前述のスチュワート、キャンベル、ブルックスのトリオ編成。トーン・ジェネレーターを使って、ヒャラヒャラ系とディストーション系を使い分ける特徴あるオルガン、美しいラインでよくドライヴするベース、ジャジーで細かいドラムによる、サイケ、ジャズ、クラシックをゴタ混ぜにしたアート・ロック調プログレを展開していて、ユーモラスな茶目っ気とオシャレな雰囲気はソフツのファースト辺りに近い印象。和声理論を基礎とした実験性と猥雑なサイケ感覚は素直にカッコよく、実験的な変拍子とアレンジ、変則的な和声とコード進行がわりと強烈なインパクトを放つ。全体としては未整理感があって、プロデュースがしっかりしていればもっと聴きやすい仕上がりになったかも知れないが、これはこれで若さゆえの姿として十分な出来栄えで、カンタベリー愛好家は勿論、ブリティッシュ愛好家やサイケ愛好家も楽しめるだろう好盤と思う。TESオビ・解説付
輸入盤/デッドストック入荷
(Progressive/Psyche,Jazz Rock,Canterbury / Jewel-case CD(2008 Re-master) / Esoteric/UK)
Dave Stewart(org,p,t-grtr)
Mont Campbell(b,vo)
Clive Brooks(ds)
Produced by Egg
収録曲目
01.Bulb/電光一閃
02.While Growing My Hair/僕が髪を伸ばしている間に
03.I Will Be Absorbed/アイ・ウィル・ビー・アブソーブド
04.Fugue In D Minor/フーガ ニ短調
05.They Laughed When I Sat Down At The Piano/僕がピアノを弾こうとしたら、みんなが笑った
06.The Song Of McGillicudie The Pusillanimous/臆病者マクギリキュディーの歌
07.Boilk/卵グツグツ
"Symphony No.2/交響曲 第2番":
08.1st Movement/第1楽章
09.2nd Movement/第2楽章
10.Blane/ブレーン
11.3rd Movement/第3楽章(bonus)
12.4th Movement/第4楽章
bonus track(1969 single):
13.Seven Is A Jolly Good Time/セヴン・イズ・ア・ジョリー・グッド・タイム
14.You Are All Princes/ユー・アー・オール・プリンシズ