UK/EUのエソテリック・レコーディングスから、75年1月17日のBBCライヴ音源8曲をボーナスで加えての、23年新規リマスター&2CD&3面開きデジパックでのリシュー。音質はクリアで奥行きもあってよい。スタックリッジはブリストル出身のグループで、アンディ・デイヴィスとジム・ウォルターが中心となって69年に結成されたスタックリッジレモンを母体として、程なくスタックリッジに改名した。ビートルズ系ブリット・ポップネスを基調としつつも、プログレ、トラッド、ルーツ・ミュージックなどの要素を取り込んだ、独特のサウンドを展開する面白いグループ。本作は、74年にUKロケットからリリースされたフォース・アルバムで、確か邦題は「エクストラヴァガンザ」。前作後大幅なメンバーチェンジがあって、前作からのデイヴィス、ムッター・スラーター、マイク・エヴァンスの3人に、新たにポール・カーラス(ex.レア・バード,etc)、キース・ジェメル(ex.オーディエンス,サミー,etc)、ロブ・ボウケット、ロイ・モーガンを加えた7人編成、バンドとトニー・アシュトンの共同プロデュース。前作の洗練されたポップネスを継承したボーカル曲が並ぶLP旧A面(1~6曲目)、非常に軽快なインスト曲中心の旧B面(7~10曲)の、少し趣の違う2面で構成。特に、ゴードン・ハスケルのカヴァーの8曲目「ミミズ賛歌」も含む、旧B面の濃密さと嫌味のないポップネスはとても上等かつ上質で、飄々と流暢なブリティッシュ然としたエレガントさを堪能出来る。湿った英国の香り漂う田舎っぽさと、都会的でオシャレな洗練感が絶妙なバランスで同居する不思議なアルバムで、よく練られたアレンジとアンサンブルは申し分なく、楽曲と演奏のカッコよさも、ウィットに富んだ可愛らしさも絶品の大好盤と思う。ともかくも旧B面は存外に素晴らしく、ボーナスのBBCライヴ音源も非常に楽しめる。
輸入盤
(Progressive/Symphonic,Pops,Canterbury / Digi-Pack 2CD (2023 Re-master) / Esoteric/UK,EU)
Andy Davis(g,kbd,vo)
Mutter Slater(fl,kbd,vo)
Rod Bowkett(kbd)
Keith Gemmel(sax,clnt)
Mike Evans(vln)
Paul Karas(b)
Roy Morgan(ds)
Producerd by Tony Ashton & Stackridge
収録曲目
(CD1/Extravaganza):
01.Spin Round The Room
02.Grease Paint Smiles
03.The Volunteer
04.Highbury Incident
05.Benjamin's Giant Onion
06.Happy In The Lord
07.Rufus T Firefly
08.No Ones More Important Than The Earthworm
09.Pocket Billiards
10.Who's That Up There With Bill Stokes?
(CD2/bonus):
"BBC Radio One In Concert 17th January 1975":
01.The Volunteer
02.Who's That Up There With Bill Stokes?
03.No One's More Important Than The Earthworm
04.The Galloping Gaucho
05.Pocket Billiards
06.Spin 'Round The Room
07.God Speed The Plough
08.Dora The Female Explorer