ドイツのレパートリーから、69年の2枚のシングル両面4曲(アルバム未収3曲)をボーナスで加えての、06年新規リマスター&デジパックでのリシュー。音質はクリアかつ迫力もあって非常によい。スティームハマーはサセックス州ワーシング出身のグループで、キーラン・ホワイトとマーティン・クィッテントンが中心となって68年に結成されている。68~69年のフレディ・キングのUKツアーのバック・バンドを経て、69年にアルバム・デビューした。何より、この後アーマゲドンに参加するマーティン・ピュー、ルイス・セナモ(ex.ルネッサンス,イリュージョン,etc)が在籍していたことで知られているかも知れない。本作は、69年にUKのCBSからリリースされたセカンド・アルバムで、メンバーは、前作からのホワイト、ピュー、スティーヴ・デイヴィーの3人に、新たにスティーヴ・ジョリフ(ex.タンジェリン・ドリーム,etc)、マイケル・ブラッドリーを加えた5人編成、プロデュースはフリッツ・フライアー。前作のヘヴィ&サイケ・ブルース路線を継承しつつも、サックス&フルート、ハープシコードのジョリフの加入により、曲によってはけっこうジャジーな雰囲気が強くなっている印象。典型的なヘヴィ・ブルース系から、煮え切らないアート・ロック&プログレ系まで、いわゆるヴァーティゴやネオン系の、ハード・ロックやプログレをサイケで括ったゴタ混ぜ感十分のサウンド。全体に一捻り感がカッコよく、フルートの入れ方やブルース基調の楽曲も含め、初期ジェスロ・タル・タイプに収束する好盤と思う。このプログレへのアプローチの試みが、次作「マウンテン」へと繋がっていくのかも。
輸入盤/デットストック入荷
(Blues&Swamp/Psyche,Progressive,Hard / Digi-Pack CD(2006 Re-master) / Repertoire/German)
Kieran White(vo,ac-g,hmca)
Martin Pugh(g,ac-g)
Steve Jolliffe(sax,fl,hpcd,vo)
Steve Davy(b)
Michael Bradley(ds,per)
Producerd by Fritz Fryer
収録曲目
01.Supposed To Be Free
02.Johnny Carl Morton
03.Sunset Chase
04.Contemporary Chick Con Song
05.Turn Around
06.6/8 For Amiran
07.Passing Through
08.Down Along The Grove
09.Another Travelling Tune
10.Fran & Dee Take A Ride
bonus track(1969 single):
11.Junior's Wailing
12.Windmill
13.Autumn Song
14.Blues For Passing People