オランダのプロヴォーグからデジパックでのリリース。ロビン・トロワーはロンドン出身のギタリストで、何よりパラマウンツとプロコル・ハルムでの活動で知られていると思う。いわゆるジミヘン・フォロワー・スタイルの代表格の1人で、ハルム脱退後もロビン・トロワー・バンド、BLT、ジャック・ブルースとのデュオ・ユニット、ソロ等々で現在も活動を続けるビッグ・ネーム。本作は、22年にリリースされたおそらくソロ名義25枚目のアルバムで、メンバーは、トロワー、リビングストン・ブラウン(ex.オブリーク,ピート・ヘイコックズ・クライマックス,etc)、クリス・タガート(ex.アクション・パトロール,etc)、リチャード・ワッツ(ex.リトリート,etc)の4人を基本に、曲によってパディ・ミルナー(ex.ジャック・ブルース&ヒズ・ビッグ・ブルース・バンド,etc)が適時参加。概ね、期待通りというか予想通りというか、安定の金太郎飴的ブルース・ロックを展開していて、ミュディアム・テンポを軸としたズッシリ&ドッシリの楽曲と、地を這うような泣きのギターを堪能出来る。トロワーがベースも弾く曲もあるようだが、近年のトロワー作品ではお馴染みのブラウンとタガートのリズム隊はシンプルで太く、ワッツの少し甘めのシャウト・ボーカルもけっこうハマっていて、絞り出すように泣き倒すトロワーとのマッチングも上々。今年3月で76歳となったトロワーのギターは、ここ最近は饒舌という感じではなくむしろ朴訥なテイストだが、そのワビサビ方面の枯れ具合が何とも素敵で、とはいえノリのよさや濃密さも十分に担保されていて、ともかくも酒が進む好盤と思う。
輸入盤
(Blues&Swamp/Blues,Hard / Digi-Pack CD(2022) / Provogue/Holland)
Robin Trower(g,b)
Livingstone Brown(b)
Chris Taggart(ds)
Paddy Milner(org)
Richard Watts(vo)
Produced by Unknown
収録曲目
01.Ball Of Fire
02.No More Worlds To Conquer
03.Deadly Kiss
04.Birdsong
05.Losing You
06.Waiting For The Rain To Fall
07.Wither On The Vine
08.Cloud Across The Sun
09.Fire To Ashes
10.The Razors Edge
11.I Will Always Be Your Shelter