ドイツのレパートリーから、10年新規リマスター&ペーパースリーヴでのリシュー。スパイラル・ヴァーティゴ・ロゴ・マーク入の見開き紙ジャケ仕様、2500枚限定プレス盤。リンダ・ホイルはロンドン出身のボーカリストで、何よりアフィニティでの活動で知られていると思う。本作は71年にUKヴァーティゴからリリースされたソロ名義ファースト・アルバムで、メンバーは、ボーカルのリンダを軸に、クリス・スペディング、カール・ジェンキンス、ジェフ・クライン、ジョン・マーシャルの当時ニュークリアスの4人がバックを担当した5人編成が基本。曲によってコリン・パーブロックがピアノで適時参加、プロデュースはピート・キング。多くがリンダとジェンキンスのペンによる曲だが、1曲目はニーナ・シモン、6曲目はローラ・ニーロのカヴァーで、わりとオーソドックスなブルース・ロックと呼べるサウンドを展開。アフィニティに近似する部分も全くないわけではないが、あくまでジャジーなテイストにとどまっていて、その意味ではアフィニティやニュークリアスのようなあからさまなジャズ・ロック系のサウンドではない。明らかに主役はマギー・ベルに近いタイプのリンダのシャウト・ボーカルで、クラインとマーシャルの安定したグルーヴのリズム隊に、わりと下品な音色で弾きまくるスペディングのギターとジェンキンスのブルージーなオルガン&ピアノが絡む演奏は、ブルース・ロックの線としてノリのよいバンド感十分。ニュークリアスにボーカルが入ったようなタイプの曲も含め、全体にB級感満点だが曲がわりと真っ当にメロディアスで、アンサンブルも普通にカッコよく、ブルース・ロック&ハード・ロック愛好家ならまずもって楽しめるだろう好盤と思う。
輸入盤/限定2500枚プレス/デッドストック入荷
(Blues&Swamp/Blues,Progressive,Jazz Rock / Paper-Sleeve CD(2010 Re-master) / Repertoire/German)
Linda Hoyle(vo)
Chris Spedding(g)
Karl Jenkins(kbd)
Jeff Clyne(b)
John Marshall(ds,per)
Colin Purbrook(p)
Produced by Pete King
収録曲目
01.Backlash Blues
02.Paper Tulips
03.Black Crow
04.For My Darling
05.Pieces Of Me
06.Lonely Women
07.Hymn To Valerie Solanas
08.Ballad Of Marty Mole
09.Journey's End
10.Morning For One
11.Barrel House Music