UKのエソテリック・レコーディングスから、25年新規リマスター&デジパックでのリシュー。アーニー・グレアムは、北アイルランドのベルファスト出身のシンガー・ソング・ライター(SSW)で、本作は71年にUKリバティからリリースされたソロ名義唯一のアルバム。ヘンリー・マッカロック(ex.ウイングス,etc)とのアイアー・アパレント解散後、デイヴ・ロビンソンが設立したフェイムプッシャーズ・プロダクションに所属したグレアムが、同じプロダクション所属のブリンズレー・シュウォーツとヘルプ・ユアセルフのメンバーをバックに制作した作品で、イギリスのザ・バンド的サウンドとして、ブリティッシュ・スワンプ系愛好家に一定の人気がある1枚。メンバーは、ボーカルア&ギターのグレアムを核に、ブリンズレー・シュウォーツ、イアン・ゴム、ボブ・アンドリュース、ニック・ロウ、ビリー・ランキンのブリンズレー・シュウォーツ組、マルコム・モーリー、リチャード・トリース、ケン・ホエーリー、デイヴ・チャールズのヘルプ・ユアセルフ組の他、曲によってクリス・カニンガム等がフィドル等で適時参加、グレアムとロビンソンの共同プロデュース。ブルース色とスワンプ色のバランス具合、枯れた味わいの木漏れ日感、いぶし銀系のスモーキーなボーカルと楽曲、寸止め感のあるシブいバンド感などなど、概ね巷での評価の通りザ・バンドに近似する印象。トラッド的ギスギス感のある佳曲「ベルファスト」も含め、雪の降る北の香りとアメリカへの憧憬的レイドバック感が同居する好盤と思う。この後、グレアムはブリンズレー・シュウォーツやヘルプ・ユアセルフに準メンバーとして参加、78年にスティッフからソロ名義シングルをリリースした。
輸入盤
(Blues&Swamp/Pub Rock,Folk Rock / Digi-Pack CD(2025 Re-master) / Esoteric Recordings/UK,EU)
Ernie Graham(vo,g)
Ian Gomm(g,vo)
Brinsley Schwarz(g)
Bob Andrews(kbd,g,vo)
Nick Lowe(b,vo)
Billy Rankin(ds)
Malcolm Morley(g,p)
Richard Treece(g)
Ken Whaley(b)
Dave Charles(ds,per,vo)
Chris Cuningham(fdl)
Davey Payne(sax)
& Others
Producerd by Ernie Graham & Dave Robinson
収録曲目
1.Sebastian
2.So Lonely
3.Sea Fever
4.Girl That Turned The Lever
5.For A Little While
6.Blues To Snowy
7.Don't Want Me Round You
8.Belfast