USAのスリル・ジョッキーから、見開きデジスリーヴでのリリース。サラ・ルイーズ(・ヘンソン)はノースカロライナ州アシュビル出身のシンガー・ソング・ライター(SSW)で、地元アパラチア山脈のトラッドを基調としたアシッド・フォーク方面でのソロ活動の他、フィドラーのサリー・アン・モーガンとのデュオ、ハウス・アンド・ランドでも活動している。本作は、19年にリリースされたソロ名義フォース・アルバムで、全て12弦ギター、エレキ・ギター、シンセ、エレクトロニクス、ボーカル等々のサラ1人による多重レコーディング作品(プロデュースも兼任)。ボーカルが入る1,6,7曲目以外はインストで、ギター、シンセのインプロ、鳥の囀りやフィールド音のサンプリングも含め、変容させたりそのままだったりのエレクトロニクスを交えた、エクスペリメンタル・フォークまたはチェンバー・アシッド・フォーク調サウンドを展開。例えば、フレッド・フリスやデヴィッド・グラブス辺りのポスト・ロック感に近似するギターの音像が、日本の「能」的なドローン感やダイナミズムと交叉していて、その意味では全体が優れて瞑想的なスピリチュアル感に収束。前作「ディーパー・ウッズ」とシリアスな空気感を共有しつつも、全く別方向の美しさに仕上がっていて、空気の色と時間の流れが変わること請け合い。プログレ系やギター・アンビエント系、エレクトロニクス系としても大好盤と思う。心地好し!。
輸入盤
(Acid Folk/Psyche,Drone Ambient,Progressive / Digi-Sleeve CD(2019) / Thrill Jocky/USA)
Sarah Louise(vo,12-g,el-g,syn,electronics)
Produced by Sarah Louise Henson
収録曲目
1.Daybreak
2.R Mountain
3.Ancient Intelligence
4.Rime
5.Swarming At The Threshold
6.Late Night Healing Choir
7.Chitin Flight
8.Nighttime Birds And Morning Stars