UKのサンビームから、69~71年のアルバム未収シングル等5曲をボーナスで加えての、デジパックでのリシュー。06年サンビーム(プラケ)盤時のリマスター音源で、ボーナスも同じ。ロジェ・ロディエはケベック州モントリオール出身のシンガー・ソング・ライター(SSW)で、67年にザ・マイク・ジョーンズ・グループでデビュー、69年のジェルマン・ゴーチエとのデュオ、ロディエ・ゴーチエを経てソロ活動に転じた。本作は、73年にカナダのコロムビアからリリースされたソロ名義唯一のアルバムで、メンバー・クレジットがなく、ロディエがボーカルとアコギ以外に何かを演奏しているのかも含め詳細は判らないが、アレンジのイヴ・ラピエール(ex.レ・カイユ,etc)やスペシャル・サンクスでクレジットされているゴーチエも、もしかして何らかの演奏に参加している可能性はある。概ね、多少のソフト・サイケ感が担保されたアシッド・フォーク&フォークロック方面のサウンドを展開していて、エレガントさと古めかしさが同居するストリングスの使い方や、内省感十分の楽曲やヒッピー調の空気感、ボーカルの線の細さ加減などなど、英詞ということもあってか例えばマーク・フライやアーロン・ライトマン、ニック・ドレイク辺りを足して割ったような印象。アコギ弾語りスタイルを基調に、曲によってソフト・サイケ調やアングラ・フォーク&ロック調アレンジを施し、ある程度ヴァリエーションと彩りを生んでいて、全体がソフト・フォーカス的な淡い情感と浮遊感に収束。曇ったガラス越しに郊外の田園風景を見ているような、アシッド・フォーク然としたアンバーさが心地好い好盤と思う。前述のロディエ・ゴーチエも含めた、ソフト・サイケ調が多いボーナス群も悪くない。
輸入盤/デッドストック入荷
(Acid Folk/Soft Psyche,Progressive / Digi-Pack CD(2019) / Sunbeam Records/UK)
Roger Rodier(vo,g,etc)
Unknown Others
Arranged by Yves Lapierre
Produced by Roger Rodier
収録曲目
01.Listen To These Chords I Play (Celeste)
02.My Spirit's Calling
03.Am I Supposed To Let It By Again? (Above The Covers)
04.The Key
05.While My Castle's Burning
06.You Don't Know What It's Like
07.Just Fine
08.Let's See Some Happyness
bouns track(single):
09.Easy Song (1971)
10.L'Herbe (1969 RODIER-GAUTHIE)
11.Tu Viendras (1969 RODIER-GAUTHIE)
12.Have You? (1969 RODIER-GAUTHIE)
13.Overseer (1969 RODIER-GAUTHIE)