USAのナイト・ブルーム・レコードから、デジパックでのリリース。マリー・スーはカリフォルニア州ネバダ・シティ出身の女性シンガー・ソング・ライター(SSW)で、04年と06年に自主制作で2枚のアルバムをリリース後、ジョアンナ・ニューサム等の前座を務めるようになって、07年にグラス・ルーツ・レコードから「フェイス・イン・ザ・ロックス」でデビューした。本作は、19年にリリースされたサード・アルバムで、クレジット・メンバーは、マリー、ケイシー・ヨハンジング、ティム・ラムジー、ゲイリー・ソボーニャ、ケイトリン・ウォルフバーグの5人、マリー、ケイシー、ラムジーの共同プロデュース。前作「ギフト・フォー・ジ・エンド」から7年振りの作品だが、基本的なテイストはほぼ変わりなく、マリーのアコースティック・ギター弾語りを軸に、ピアノやシンセ、メロトロン、ベース、12弦ギター、ヴァイオリンなどのシンプルで淡いアンサンブルが絡む。既にソリストとして同じレーベルから作品をリリースしているケイシーが、サン・フランシスコのオシャレな風を少し持ち込んでいる感じだが、マリーの内省感満点の楽曲やハイトーンのウィスパー・ボーカル&ハーモニー・コーラスは揺るぎなく、結局はマリー従来のくぐもった哀愁と儚げな暗さに収束する印象。全体に淡々とアンバー感十分で美しく、アシッド・フォーク&女性ボーカル愛好家ならまずもって楽しめる好盤と思う。ともかくも時間の流れと空気の色が変わり、流していて非常に心地好い。素晴らしい!。
輸入盤
(Acid Folk/SSW,Psyche / Digi-Pack CD(2019) / Night Bloom Records/USA)
Mariee Sioux(vo,ac-g)
Kacey Johansing(p,syn,mltrn,kbd,per,vo)
Tim Ramsey(b,p,12-g,g,tbln)
Gary Sobonya(mdln)
Kaitlin Wolfberg(vln)
Produced by Mariee Sioux, Kacey Johansing & Tim Ramsey
収録曲目
01.Black Snakes
02.Baby Wave
03.Goose Song
04.Never Known
05.Grief In Exile
06.Behind The Veil
07.Snow Knows White
08.Coyote With The Flowering Heart
09.Love Like Water
10.My Birds