オーストリアのファクト・オブ・ビーイングから、デジパックでのリシュー。多分初CD化。ローラ・アランはカリフォルニア州バークレー出身の女性シンガー・ソング・ライター(SSW)で、ジャズ・ミュージシャンの父と大学教授の母の下で幼い頃から楽器の演奏や研究、歌などに親しんでいたらしい。一般的には、ジェフ・ポーカロ、チャック・レイニー、ワディ・ワクテル等が参加した78年ファースト「ローラ・アラン」で、ブルー・アイド・ソウル系のフォーク・シンガーとして知られているが、実はツィターやダルシマのけっこうな名手で、楽器製作や改造ではジョニ・ミッチェルやデヴィッド・クロスビーとも親交があったようだ。本作は、80年にリリースされたポール・ホーンとの連名アルバムで、ローラとしては2枚目の作品。メンバーは、ボーカル&ツィターのローラ、各種フルートのホーンを核に、ダラス・スミス、ジェフリー・チャンドラー、ケント・ミドルトン等が適時参加、プロデュースはピーター・ゲオルギー。ハミング&爪弾き感を基調としたローラのツィター弾語りスタイルを軸に、音色のヴァリエーション豊なフルートやリリコン(ウインド・シンセ)が微風のように通り抜け、遠くで鳴ってる感じのシンセとベルが揺らぎとアクセントを添えるサウンド。例えば、凪の水面にキラキラと躍る反射光の粒のような静謐さが、淡い情感の涼やかさに収束していく感じで、非常に上等な微睡系くぐもり感を堪能出来る。耳触りの柔らかいサウンドスケープは、優れて瞑想的で流していて心地好く、ドローン・アンビエント系としてもかなり絶品。ともかくもエレガントで美しい好盤と思う。素晴らしい!。
輸入盤
(Acid Folk/Ambient,Meditation,Progressive / Digi-Pack CD(2021) / Fact Of Being/Ausitria)
Laura Allan(vo,zither)
Paul Horn(fl)
Dallas Smith(lyricon)
Geoffrey Chandler(syn)
Kent Middleton(bells)
Produced by Peter Georgi
収録曲目
1.As I Am
2.Waterfall
3.Nicasio
4.Passage