国内のP・ヴァインから、デジパックでのリリース。ジョアンナ・ニューサムはカリフォルニアのネヴァダ・シティ出身の女性シンガー・ソング・ライター(SSW)で、本作は07年にリリースされた3曲入CDシングル。USAドラッグ・シティ盤にオビ・解説を付けた国内流通盤で、邦題は「ジョアンナ・ニューサム&ザ・Ys・ストリート・バンドEP」、歌詞・対訳付。メンバーは、ジョアンナ、ライアン・フランセスコーニ、ダン・キャントレル、ニール・モーガン、ケヴィン・バーカーの5人で、タイトルからも判る通り、「Ys」リリース後のツアー・メンバーを中心としたバンド編成。1曲目の「コリーン」が新曲で、ハープとタンブーラ、ギター、バンジョー等の弦楽器を中心とした見事なトラッド調のアンサンブルを展開していて、ケイト・ブッシュ的な楽曲とボーカルが相俟った、非常に美しく素直にカッコいいサウンド。2曲目は「ミルク・アイド・メンダー」のラスト・ナンバーのリメイクで、ハープとハーモニー・コーラスのゆったりした流れが、アメリカ西部の田舎的雰囲気を淡々と牧歌的に綴り、「コリーン」との対比が鮮やか。3曲目は「Ys」のラスト・ナンバーのリメイクで、オリジナルのヴァン・ダイク・パークスのオーケストラ・アレンジを、上記の弦楽器、アコーディオン、ミュージック・ソウ(ノコギリ)で展開していて、勿論オリジナルもよかったが、このヴァージョンも幽玄で素晴らしく、アシッド・フォーク愛好家にはこっちのほうがウケるかも知れない。本作のメンバー達の多くは、そのまま10年の「ハヴ・ワン・オン・ミー」にも参加することになるのだが、ジョアンナの独特の個性を少しも損なうことなく、結果としてバンド感が加味されていて、ともかくも非常に心地好い。今の所、この人に駄作はなく、アシッド・フォーク愛好家は要チェックと思う。
P・ヴァイン盤/デッドストック入荷
(Acid Folk/Psyche,Folk,Progressive / Digi-Pack CDS(2007) / P-Vine,Drag City/ Japan,USA)
Joanna Newsom(vo,harp)
Ryan Francesconi(tambura,g)
Dan Cantrell(acdn,m-saw)
Neal Morgan(ds,vo)
Kevin Barker(bjo,g)
Produced by Joanna Newsom
収録曲目
1.Colleen/コリーン
2.Clam, Crab, Cockle, Cowrie/クラム・クラブ・カックル・カウリー
3.Cosmia/コズミア