国内のP・ヴァインからのリリース。エンボス加工のスリップ・ケース付きで、ここではそのスリップ・ケースを載せた。ジョアンナ・ニューサムはカリフォルニアのネヴァダ・シティ出身の女性シンガー・ソング・ライター(SSW)で、02年と03年に自主制作盤を2枚リリース後、ドラッグ・シティからデビューした。ハープ弾語りスタイルを基調に、ケイト・ブッシュとビョークの狭間を行く感じの、アシッド・フォークとプログレの独特のハイブリッドなサウンドを展開する稀有なアーティスト。本作は、06年にリリースされたフォース・アルバムで、USAドラッグ・シティ盤にオビ・解説を付けた国内流通盤、歌詞・対訳付。前作はほぼジョアンナのハープやエレピ等の弾語りだったが、本作ではジョアンナのハープ&ボーカルを軸に、多くの曲でヴァン・ダイク・パークスが全面的にオーケストラ・アレンジを担当、さらにマンドリンやバンジョー、ギター、ベース、パーカス、マリンバ等々が入っていて、非常に上質な室内楽的アンサンブルを堪能出来る。パークスが共同プロデュース、ジム・オルークがミックス担当で、最早アシッド・フォーク云々の次元を超えた幽玄で圧巻のサウンドというか、雰囲気はあくまで内省的でアシッド・フォーク然としていて、儚い哀愁が溢れるように滲み出ている印象。全体に、パークスの控えめだが的を射たオーケストレーションが、ジョアンナのボーカル、ハープ、楽曲を見事にフォローしていて、ハープ弾語りだけで淡々と展開される3曲目の「おがくずとダイアモンド」も非常に素敵。この人の奏でる音楽には、何というか嘘がない。本当に素晴らしい!。
P・ヴァイン盤/デッドストック入荷
(Acid Folk/Psyche,Folk,Chamber,Progressive / Jewel-case CD(2006) / P-Vine,Drag City/ Japan,USA)
Joanna Newsom(vo,harp)
Van Dyke Parks(acdn)
Matt Cartsonis(bjo,mdln)
Grant Geissman(el-g)
Lee Sklar(b)
Don Heffington(per)
Terry Schonig(mrba,cymbalum)
Bill Callahan(harmony-vo)
Emily Newsom(harmony-vo)
Orchestra Arranged & Conducted by Van Dyke Parks
Mixed by Jim O'Rourke
Produced by Joanna Newsom & Van Dyke Parks
収録曲目
1.Emily/エミリー
2.Monkey & Bear/猿と熊
3.Sawdust & Diamonds/おがくずとダイアモンド
4.Only Skin/オンリー・スキン
5.Cosmia/コズミア