スウェーデンのルーツィー・ミュージックから、見開きデジスリーヴでのリリース。ソフィ・リヴェブラントはストックホルム出身のシンガー・ソング・ライター(SSW)兼コンポーザーで、王立音楽院のフォークミュージック学部を卒業後活動を開始、演劇や朗読のための作曲、ソフィア・カールソンとのコラボレーション等の他、10年からはソロ・アルバムもリリースしている。本作は、22年にリリースされたソロ名義フィフス・アルバムで、メンバーは、ボーカル&ギターのソフィ、ギター、ベース、キーボード、プロデュース兼任のユーアン・リンドストレームを核に、ドン・バーリルンド、コンラード・アグナス、ハル・パルフィット・マレー、アマンダ・オスカルソン、ソーニャ・アンネリード等々が曲によって適時参加。エミリー・ブロンテの詩にソフィが曲を付けた8曲が並んでいて、湿った質感のアンバーな情感がアンニュイな空気感に収束する、しっとりとダウナーなサウンドを展開。明るくて暗い独特のコード感と楽曲、シンプルだがよく練られたアレンジは、例えばシド・バレットやケヴィン・エアーズ、ニック・ドレイク辺りにも通じる翳りとハミ出し感が感じられ、少し舌っ足らずなソフィのシンギングも魅力的。全体のアシッド・フォーク然とした淡い美しさや浮遊感は、マリー・ウォーターソン&デヴィッド・A・ジェイコックの諸作にも近似する印象で、アコギを軸にピアノやオルガン、ヴァイオリン、ベース&ドラム等が適時絡むアンサンブルも非常に上等で、ともかくも空気感が素敵な流していて心地好い好盤と思う。
輸入盤
(Acid Folk/Folk,Psyche,Progressive / Digi-Sleeve CD(2022) / Rootsy Music/Sweden)
Sofie Livebrant(vo,g)
Johan Lindstrom(g,pedal-steel,b,syn,org,p,vo)
Dan Berglund(u-b)
Konrad Agnas(ds,per)
Hal Parfitt-Murray(vln)
Amanda Oskarson(vo)
Sonja Annelid(vo)
Zurab Tskrialashvili(choir)
Pasta Tserskhladze Paatananu(choir)
Produced by Johan Lindstrom
収録曲目
1.Mayflowers no 86
2.Shall Earth No More Inspire Thee no 122
3.Deep Deep Down in the Silent Grave no 38
4.Awaking Morning Laughs no 21
5.There Was a Time no 103
6.She Dried Her Tears no 180
7.The Lady to Her Guitar no 62
8.The Night Is Darkening no 31 (outro The Star no 18)