スウェーデンのサブリミナル・サウンズから、デジパックでのリリース。リサ・オ・ピウは、女性ボーカリストのリサを中心としたストックホルム出身のアシッド・フォーク・ユニットで、09年にリリースされた元コウマスのロジャー・ウットンとの共演ライヴ盤で知っている人もいるかも知れない。本作は、10年にリリースされたセカンド・アルバムで、メンバーは、前作からのリサ・イサクソン、ダーヴィド・スヴェードミュル、ヨエル・ムンテル、アンデシュ・エングクヴィストの4人に、新たにマリア・ラーゲルレーヴ、マティアス・ヒデモを加えた6人編成、リサとダーヴィドの共同プロデュース。前作よりは少しバンド感が顕われている印象ではあるが、ほぼ前作と同様の、相変わらず儚げなくぐもり感が心地好い非常に上質なアシッド・フォークを展開。ハープ、ギター、チター、シタール、ヴァイオリン等の弦楽器を軸に、フルート、リコーダー、グロッケンシュピール、メロトロン等を交えたアンサンブルは、ともかくも繊細で美しく、澄んだ空気感と透徹感のある雰囲気は文句なしに素晴らしい。全体に、ゲルマンやケルトの古層的信仰と、それを抑え込もうとするキリスト教的闇を背景とした中世的呪術感が、洗練された形でサウンドに顕われている印象。前作が気に入った人は勿論、エマニュエル・パルナン、リンダ・パーハクス、ヴァシティ・バンヤン、そしてシャーリー・コリンズ辺りが好きな人はともかくも楽しめるだろう、確実に空気の色と時間の流れが変わる大好盤と思う。素晴らしい!。
輸入盤/デッドストック入荷
(Acid Folk/Folk,Progressive / Digi-Pack CD(2010) / Subliminal Sounds/Sweden)
Lisa Isaksson(vo,harp,fl,g,glocken,p)
David Svedmyr(12-g,mltrn,cither,sitar,rcdr,per)
Maria Lagerlof(fl,vo)
Mattias Hidemo(vln,vla,glass)
Joel Munther(b,vo)
Anders Engovist(per,clnt)
Produced by David Svedmyr&Lisa Isaksson
収録曲目
1.Was It The Moon
2.Simplicity
3.Dream Of Goats
4.World Falling Down
5.Child Of Trees
6.Gong For Hours (Jupiter's Under The Moon)