ドイツのベア・ファミリー・レコードから、3面開きデジパックでのリシュー。エリク・ブラウアーはウィーン幻想派の巨匠画家だが、50年代初頭からフォーク・シンガーとしてパリを拠点に生計を立て、画家としてやっていけるようになった60年代以降も、ギリシャ、スペイン、イスラエル、地中海周辺のアラブ/アフリカ諸国を頻繁に旅しては、自作の絵をスリーヴに使った数枚のアルバムをリリースしている。本作は、71年にドイツ/オーストリアのポリドールからリリースされたファースト・アルバムで、作詞・作曲&ボーカルのブラウアーを中心に、ユル・シェイバル、トニ・ストリッカー、ヘルヴィヒ・グラッツァー、ウィリ・ファントル、ロベルト・デマー、ハンス・サロモン、ルドルフ・ハンセン、エーリッヒ・バッハトラーゲル、ユーラ・コッホ等々が曲によってバックを担当、プロデュースはヨハネス・フェーリング。地中海周辺の南欧民族音楽と、南米のフォルクローレがゴタ混ぜになったような独特でエキゾティックな曲調の楽曲で、アコースティック・ギター、ヴァイオリン、アコーディオン、オルガン、管楽器、リズム隊を軸としたアンサンブルをバックに、ちょっとストレンジ感のあるブラウアーのボーカルが乗っかる。楽曲自体はわりと明るめで、シアトリカルなボーカルはかろやかに踏み外していて、全体として場末のサーカスのような妖しさと隠れた暗さ十分。曲調は一見オーソドックスな感じに聴こえるが、奇妙なサイケ感が充満していて、結果としてアシッド・フォークとしか言い様のない何とも変テコなサウンド。全てが少しずつズレていてストレンジ感満点というか、ある意味壊れていて非常に面白く、少なくともこの人の絵は文句なしに凄いわけで、もしかして存在自体がサイケなのかも知れない。
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輸入盤
(Acid Folk/Mediterranean,Folclore / Digi-Pack CD(2012) / Bear Family Records/German)
Arik Brauer(vo)
Jul Scheybal(g)
Toni Stricker(vln)
Herwig Gratzer(p,org)
Willi Fantl(acdn)
Robert Demmer(tp,fl-hrn)
Hans Salomon(sax)
Rudolf Hansen(b)
Erich Bachtragel(ds)
Jula Koch(per)
Produced by Johannes Fehring
収録曲目
01.Oho Halalalie
02.Die Jause
03.Sie Hab'n A Haus 'Baut
04.Wie A Hund
05.Warum Ist Er So Dumm
06.Sein Kopferl Im Sand
07.Reise Nach Afrika
08.Der Surmi Sui
09.Der Spiritus
10.Rostiger Die Feuerwehr Kommt!
11.Serenade
12.Dschiribim - Dschiribam