(中古/USED CD)：01年のベルギー・サブ・ローザ盤／輸入盤・廃盤
(状態/CONDITION)：SLEEVE=A- (プラケ爪跡有) / DISC=A
ナム・ジュン・パイク/白南準はソウル出身の現代美術家兼現代音楽家で、ビデオ・アートの先駆者と呼ばれるビッグ・ネーム。朝鮮戦争時に日本に移住、56年に東京大学美術・美術史科を卒業後ミュンヘン大学音楽史科に留学、同時にフライブルク高等音楽院でヴォルフガング・フォルトナーに作曲を学び、カールハインツ・シュトックハウゼンやジョン・ケージと知り合って影響を受けるとともに、62年にヨーゼフ・ボイス、ジョージ・マチューナス等とフルクサス運動を立ち上げ、デ・コラージュ等の活動を経て64年にアメリカに移住した。その後もビデオ・アートや現代音楽のインスタレーションを軸に精力的に活動したが、96年に脳梗塞で倒れ06年に他界した。本作は、タイトル通り58～79年におけるアンソロジー集で、クレジット・メンバーはパイク、タキス(aka,パナイオティス・ヴァシラキス)の2人、プロデュース＆レストアはパイク好きを公言しているステファン・ヴィティエッロ。マース・カニンガムの舞踏のためのデ・チューンされたプリペアド・ピアノによる1曲目、明らかなケージへのオマージュと思われる、短波ラジオやフィールド・レコーディング＆エレクトロニクス・マテリアルのアッサンブラージュ＆ノイズ・コラージュの2,3,5曲目、パイクの弾くエルガー的ピアノにタキスの叩くメタル彫刻の音が響き渡る4曲目、どれもパイクの音楽作品の中ではわりと知られた代表的な曲がセレクトされている。こうして改めて聴くと、アヴァンギャルドなアンチテーゼ感はケージ直系という印象で、ビデオ・アートのような華麗さではないが価値変換／変容のショッキングさは通底していて、現代音楽的でコワモテな小難しさも十分。その意味では正しく退屈でサイケな好盤と思う。
輸入盤
(Psyche/Experimental,Collage,ElectronicsMusique Concrete / Jewel-case CD(2001) / Sub Rosa/Belgium)
