フィンランドのエクリプス・ミュージックから、見開きデジスリーヴでのリリース。トゥーレンテイは、07年に他界した近代カンテレの父と称されるマルッティ・ポケラの、3人の孫姉弟ソイラ(ex.ラヤトン,サーガ・アンサンブル,etc)&ペッテリ(ex.カルッキクオロ,キヴェン・ユーリラ,etc)&ユリ(ex.パウクマイスィ,キヴェン・ユーリラ,etc)・サリオラが、ポケラ生誕100周年を記念して24年に新たにヘルシンキで結成したトリオ・ユニットで、本作は25年にリリースされたファースト・アルバム(配信では24年11月に先行リリース)。メンバーは、前述のソイラ(ボーカル)&ペッテリ(ギター)&ユルキ(ドラム)姉弟の他は、資料不足で楽器のクレジットは不明だが、曲によってカンテレ、ヴィオラ、チェロ、ピアノ、アコーディオン、エレクトロニクス、ベース、パーカスなどなどが適時ボーカルのバックに入り、さらに日本カンテレ友の会の情報によると、『全曲にわたり祖父マルッティのレコーディング音源を起用』とあって、ポケラの生前のカンテレ演奏音源もミックスされているのかも知れない。プロデュースはユルキ。「ファイティング・ポルカ(2曲目)」、「ハンスの犬(6曲目)」、「ニラとセイタの物語(10曲目)」、「トゥーレン・テイン(13,14曲目)」など、ポケラが生前にフィンランド各地で採取&演奏してきたトラッド曲と、3姉弟のペンによるオリジナル曲を織り交ぜた構成で、素朴さが担保されたトラッド調のメロディ&楽曲を、プログレ色内包の洗練されたアレンジ&アンサンブルで展開。全体としては、カンテレやフィニッシュ・トラッド方面というより、フィニッシュ・トラッドをモチーフとしたプログレ調サウンド方面という印象だが、濃密かつドラマティックでかなり面白く、北欧トラッド系愛好家もプログレ系愛好家も、どちらもけっこう楽しめる好盤と思う。
輸入盤
(Trad&Folk/Finnish Trad / Digi-Sleeve CD(2025) / Eclipse Music/Finland)