UKのチェリー・レッド傘下のレヴ・オラから、68年のアルバム未収シングル4曲(13,14,16曲目はシングル・バージョン)をボーナスで加えての、08年新規リマスターでのリシュー。ボーナスは既発のエアー・メイル盤より2曲多く、音質もわりとクリアで迫力もあってよい。ジュライは、66年にアーリングで結成されたスキッフル・バンドのザ・トムキャッツを母体としたグループで、68年にをジュライに改名して本作をUKメジャー・マイナーからリリースした。この後、ヴァージンのマナー・スタジオのチーフ・エンジニアとなるトム・ニューマンが在籍していたことや、他のメンバー達がジェード・ウォリアーへと発展することで知られているかも知れない。メンバーは、ニューマン、トニー・ダーハイ、ジョン・フィールド、アラン・ジェームス、クリス・ジャクソンの5人編成で、プロデュースはトミー・スコット。スリーヴ通りの、典型的なブリティッシュ・サイケ&アート・ロック・サウンドを展開していて、ビートルズ的なメロディにシタールやタブラを多用したオリエンタルなテイストを加え、エフェクトをカマしたボーカルやSE的コラージュ感も、非常にサイケでキマっている。全体に、フロイドのファースト辺りにも通じる猥雑感を放っていて、この後のジェード・ウォリアーへの萌芽的な要素と、ビートルズ系のポップネス、インテリジェンスのあるアングラ感が、何とも絶妙のマッチングを見せる。演奏もけっこうヘヴィでカッコよく、初期ソフト・マシーンやピンク・フロイド、ブロッサム・トゥズ、カレイドスコープ辺りに通じる、正しくサイケで雰囲気十分のサウンド。音色やアイデアのセンスと耳のよさはともかくも抜群で、サイケ愛好家ならまずもって楽しめるだろう、また要チェックの好盤と思う。この後、前述の通りダーハイとフィールドはジェード・ウォリアーを結成、ニューマンはヴァージンの著名エンジニアとなる。
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輸入盤
(Psyche/Art Rock,Progressive / Jewel-case CD(2008 Re-master) / Rev-Ora/Cherry Red/UK)