スペインのワウ・ワウ・レコードから、09年リマスター&ボーナス2曲を加えてのリリース。国内のディスク・ユニオンが輸入盤にオビ・解説を付けた国内流通盤で、英文ライナー対訳、スリップ・ケース付。インナー・スペースはケルン出身のグループで、何よりカンの前身バンドとして知られていると思う。本作は、68年にペーター・F・シュナイダー監督の映画「アジ郎&ブル坊~レーニンはヴィーナスに接吻を」のサントラとして製作された音源で、69年に1,6曲目のカップリングで7インチがリリースされたが、結局当時アルバムのリリースはなく、ボーナスの2曲も含め残りの曲は初出音源。クレジット・メンバーは、ボーカル、フルート、ギターがイルミン・シュミット、ベースがホルガー・シューカイ、ドラムがヤキ・リーヴェツァイト、主演女優のロージー・ロージーがボーカルということになっているが、明らかにミヒャエル・カローリと思われるギターも聴こえ、シュミットとシューカイもレコーディング・エンジニアとして色々仕掛けも駆使してると思われる。端的にカンに直結する濃密なヘヴィ・サイケを展開していて、サイケ、音響系、実験音楽、民族音楽、ブルース、プログレがゴタ混ぜにミックスされたサウンドは、かなり変態的で気色悪さ満点、妖しいローファイ感も十分。病んだ壊れ具合が心地好くてカッコいいタイプのサウンドで、まだ形になっていないような部分も含め、何か面白くしてやろうという確信犯的な意識が充満していて、ともかくも耳とセンスの感覚は圧巻。手に銃を持っておっぱいを露出している、ロージー・ロージーのスリーヴのイメージ通りの、強烈なインパクトを放つ好盤と思う。
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ディスク・ユニオン盤/デッドストック入荷
(Psyche/Experimental,Strange,Progressive / Jewel-case CD(2009 Re-master) / Disk Union,Wah Wah Records/Japan,Spain)