UKのエソテリック・レコーディングスから、78年のアルバム未収シングル1曲と、79年のブレイクとジャン・フィリップ・リキエルとのデュオ名義カセット・テープ作品「ウォーターフォールズ・フロム・スペース」収録曲2曲の計3曲をボーナスで加えての、17年新規24ビット・リマスターでのリシュー。音質はクリアでよくなっている印象。ティム・ブレイクはロンドン出身のキーボーティストで、何よりゴング、ホークウインド等での活動で知られているかも知れない。69年に若干17歳でロンドンのマーキー・スタジオで見習いエンジニアとして働き始め、その頃にデイヴ・ブロックやデイヴィッド・アレンと知り合い、71年のアレンの「バナナ・ムーン」に携わった流れで72年にゴングに加入、黄金期メンバーとして活動後75年に脱退、ソロで2枚のアルバムをリリースして、79年にホークウインドに加入した。本作は、78年にフランスのエッグからリリースされたセカンド・ソロ・アルバムで、シンセ、エフェクト&エレクトロニクス、ギター、グリッサンド・ギター、ボーカルをマルチにこなすブレイクの1人多重レコーディングを基本に、曲によってリキエルのムーグ・シンセも入る。オベーション・ギターのキラキラしたアルペジオとスペイシーなシンセをバックに、ブレイクが淡々と歌う哀愁のプログレ・バラードの1曲目、グリッサンド・ギターを核としたほとんどゴング的な2曲目、前作の延長線上のダーク・ニュー・エイジ路線の3曲目以降と、わりとしょうもないブレイクのボーカルもある種の味わいになっていて、全体に正しくサイケなサウンド。妙な聴きやすさとB級スペイシー感が心地好い好盤と思う。
輸入盤
(Psyche/Electronics,New Age,Progressive / Jewel-case CD(2017 24bit Re-master) / Esoteric/UK)