ドイツのMG.アートからのリシュー。35周年記念盤で、特にリマスター表記はないが音質はクリアで奥行きと広がりがあって非常によい。マニュエル・ゲッチングはベルリン出身のギタリストで、何よりアシュ・ラ・テンペル/アシュ・ラでの活動で知られていると思う。エレクトロニクス&アンビエント音響系やテクノ&ハウス系ミュージシャン達に、現在も広く影響を与えリスペクトされ続けているビック・ネーム。本作は、84年にドイツのイン・タームからリリースされたソロ名義ファースト・アルバムで、全てゴッチング1人での多重録音、レコーディングは81年の12月。タイトルやスリーヴからも判る通り、チェスのゲームをモチーフとしたコンセプト・アルバムで、アシュ・ラの「コーリレイションズ」と「ベル・アライアンス」で見せた、今でいうハウス ・ミュージック的アプローチを基調としながら、「インヴェンションズ・フォー・エレクトリック・ギター」的なミニマル感を加味させたサウンド。全てをギターだけで演っていた「インヴェンションズ~」とは違い、リズムボックスとシンセによるハウシーなミニマル・トラックが延々と続き、後半からジャジーなギター・ソロが入る構成だが、リズムボックスなのにリズムが横ユレしていて、それが非常に心地好い浮遊感を生んでいる。その意味では、カッチリした4打ち主体の当世風ハウス・ミュージックとは一線を画していて、ギター・ソロまでが少し長いという印象もあるが、上下左右にフワフワとヨレるソロのカッコよさは味わい深く、全体に優れて瞑想的で、晴れやかだが独特の湿った翳りを放つ好盤と思う。心地好し!。
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輸入盤
(Psyche/Electronics,House,Meditation / Jewel-case CD(2016) / MG.Art/German)