ドイツのビュロー・Bから、3面開きデジパックでのリリース。ハンス・ヨアヒム・ローデリウスはベルリン出身のピアニスト、エレクトロニクス奏者&実験音楽家で、68年にコンラッド・シュニッツラー等と共に音楽共同体『ヒューマンビーイング』と、それに伴う『ゾディアック・フリー・アート・ラボ』を設立した。ラボに出入りしていたスイス人のディーター・メビウスと、シュニッツラーの3人で「K」のクラスターを結成、シュニッツラー脱退後はメビウスと2人で「C」のクラスターを継続、ノイ!のミヒャエル・ローターとのハルモニアやブライアン・イーノとのクラスター&イーノ等のコラボレーションの他、現在も現役でソロ活動を行うジャーマン・エレクトロニクス系のビッグ・ネーム。ロイド・コールはダービーシャー州バクストン出身のシンガー・ソング・ライターで、何よりロイド・コール&ザ・コモーションでの活動で知られていると思う。本作は、13年にリリースされたデュオ名義アルバムで、ギター・ポップ系のコールとローデリウスという意外な組合せだが、元々コールがクラスターのファンだったということらしい。メンバーは、ローデリウスとコールの2人で、エレクトロニクス、シンセ、ピアノ等によるアンビエント調サウンドを展開。ノイズやミニマル、トイ・ミュージック的要素も織り交ぜた、トリッピーで可愛らしい音像と淡い情感のサウンドスケープは、概ね「C」のクラスターやローデリウスの諸作に通じる印象。ともかくも面白くて心地好く、正しくサイケでセンスのよい好盤と思う。素晴らしい!。
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(Psyche/Electronics,Ambient,Noise / Digi-Pack CD(2013) / Bureau B/German)