リヒテンシュタインのハイフライ・サウンドから、デジパックでのリシュー。メトセラは、元ザ・ディンプルズとゴスペル・ガーデンのメンバー達が中心となって、68年頃にロンドンで結成されたグループで、この後アメイジング・ブロンデルのジョン・グラッドウィンとテリー・ウィンコット、スティームハマーのミック・ブラッドリーが在籍していたことでも知られているかも知れない。本作は、69年にUKエレクトラからリリースされた唯一のアルバムで、メンバーは、グラッドウィン、ウィンコット、ブラッドリー、レズリー・ニコル、クレイグ・オースティンの5人編成が基本で、1曲でスティーヴ・コックスがゲスト参加、プロデュースはケニー・ヤング。少しゴスペル調のボーカル&ハーモニー・コーラスに、プログレ調アレンジとハード調の演奏が絡む、ゴッタ煮感満点の面白いサウンドを展開。楽曲は基本的にブルース基調の感じだが、サイケ、プログレ、ハード、ジャズ、フォーク、ゴスペル等の要素が妙な塩梅で同居する煮え切らなさがあって、いかにもブリティッシュ・ロック的なミクスチャー具合という印象。クッキリしたパワフルなボーカルとゴスペル調ハイトーン・コーラス、フォーク・ロック調のアコースティック・ギター、1人ハード調の弾きまくりギターなど、フロント陣はとっちらかっているようでいて、達者かつ重厚なリズム隊が見事に纏めていて、演奏は引き締まっていてわりと素直にカッコいい。全体のギスギスした重々しいアングラ感も含め、B級ブリティッシュ・ロック系の好盤と思う。余談だが、メトセラとは創世記に出てくる古代ユダヤ人の族長の名前で、千歳近くまで生きたという伝説的人物。
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輸入盤
(Progressive/Psyche,Blues,Hard / Digi-Pack CD(2015) / Hifly Sound Anstalt/Liechtenstein)