ドイツのスティックマン・レコードから、デジパックでのリリース。ヴァイテは、おそらくベルリンを拠点とするグループで、アメリカのマサチューセッツ州からドイツに移住して活動していたエルダーのマイケル・リスバーグとニコラス・ディサルボが、ハイ・ファイターのインヴァー・ボイゼン、ラウンズのベン・ルービンとともに22年に結成したグループ。本作は、24年にリリースされたセカンド・アルバムで、メンバーは、前作からのリスバーグ、ディサルボ、ボイゼン、ルービンの4人に、新たにファビアン・ド・メヌーを加えた5人編成。概ね、前作の延長線上にあるツイン・ギターを軸としたインスト・プログレ方面変わらずだが、スペイシーなキーボード&エレクトロニクスが新たに加味され、よりクラウト・ロック感が増している印象。楽曲&アレンジはそれなりにカッチリしているが、例えばケブネカイゼやトラッド・グラス・オーク・スターナー方面のセッション調バンド感と、ポスト・ロック、マス・ロック、ジャズ・ロックなどの要素が交叉していて、全体が70年代的プログレ感に収束。常にある程度のテンションを維持しつつ、微妙な緩急を経てジワジワ盛り上がってくアレンジは見事で、明る過ぎず暗すぎずの楽曲やメロトロンのハマりもよい。何より、適時クールにそれぞれの役割をまっとうするアンサンブルが上等でカッコよく、聴き込むにつれ味わいが増すスルメ的サウンドで、インスト・プログレ系のかなりの好盤と思う。
輸入盤
(Progressive/Psyche,Kraut Rock,Electronics / Digi-Pack CD(2024) / Stickman Records/German)