UKのキャッスルから、71年のアルバム未収シングルB面1曲と、70年の「デヴィルズ・アンサー」のデモ・別バージョン各1曲、さらに71年1月と5月のBBCセッション・ライヴ音源3曲の、計6曲をボーナスで加えての04年新規リマスターでのリシュー。スリップ・ケース付で、ここではそのスリップ・ケースを載せた。アトミック・ルースターは、元クレイジー・ワールド・オブ・アーサー・ブラウンのヴィンセント・クレインとカール・パーマー、元ジ・エンドのニック・グラハムが69年にロンドンで新たに結成したグループで、クレインの流暢なハモンド・オルガンを核としたオルガン・ハード系の好バンド。メンバー変遷が多く、上記以外にもELP、スキン・アレイ、ハード・スタッフ、アンドロメダ、ジ・アタック、コロシアム、ホース、イビス、ノヴァ、リーフ・ハウンド、カクタス、ランディ・パイ、ブランドX等々、数多の関連バンドがある。本作は、70年にUKのB&Cからリリースされたセカンド・アルバムで、前作からクレイン以外のメンバーが一新されていて、この後共にバレットを経てハード・スタッフを結成するジョン・カンとポール・ハモンドが加入したトリオ編成。シングル・ヒットした1,3曲目も含め、全体にカンの饒舌なギターが加わった分、クレインの独壇場的アンサンブルではなくなったが、その分下品なハード・ロック感が増していて、B級ハード系として文句なしのカッコよさを放つ。エッチ&ヨレヨレなファズ・ギターと上等なハモンド・オルガンの絡みがよく、ボトムを支えるドカスカ系ドラムの切れ味も上々で、ブリティッシュ・ハード&プログレ愛好家なら素直に楽しめるだろう好盤と思う。ウィリアム・ブレイクの絵を使ったスリーヴも素敵。また、ファーストも本作も、ライヴ・ボーナスが素直にカッコよかった。
輸入盤/デッドストック入荷
(Psyche Hard/Progressive,Blues / Jewel-case CD(2004 Re-master) / Castle/UK)