UKのコールド・スプリングから、26年新規リマスター&5CDボックス・セットでのリリース。ヴャチェスラフ・オフチニコフはロシア(旧ソ連)のヴォロネジ出身の作曲家兼指揮者で、モスクワ音楽院で作曲と指揮を学び、在学中の60年頃からプロとして活動を開始、何よりセルゲイ・ボンダルチュク監督映画「戦争と平和」のサントラ等で知られるビッグ・ネーム。エドゥアルド・アルテミエフはノヴォシビルスク出身の作曲家兼電子音楽家で、何よりアンドレイ・タルコフスキーやニキータ・ミハルコフ監督の映画サントラ群で知られていると思う。80年のモスクワ・オリンピックのテーマ音楽を担当した他、ソビエト電子音楽作曲家協会の会長やソビエト文化大学の教授等を歴任した、旧ソビエト連邦を代表するコンポーザーの1人。本作は、タイトル通りタルコフスキー監督映画5本のサントラをコンパイルした5枚組ボックス・セットで、クラムシェル・ボックス&各紙ジャケ仕様、公開当時のソ連と日本の映画ポスターを再現したアートカード入。内容は、CD1が62年「僕のの村は戦場だった」、CD2が66年「アンドレイ・ルブリョフ」で、担当はオフチニコフ、CD3が72年「惑星ソラリス」、CD4が75年「鏡」、CD5が79年「ストーカー」で、担当はアルテミエフ。ロマン派的要素と現代音楽的要素が交叉するクラシック・オーケストラ主体のオフチニコフ、バッハ等のクラシックの引用、アラビックやインディックな民族音楽的要素とエレクトロニクス・ドローンが交叉するアルテミエフ、どちらも湿ったダーク感が共通していて、それは各映画の空気感にも通底する印象。ある意味、旧ソ連の底知れぬ深さを想起させられる、哀しくも美しい好サントラ集と思う。
輸入盤/限定プレス盤
(Progressive/Psyche,Classic,Electronics,Drone / Clamshell 5CD BOX(2026 Re-master) / Cold Spring/UK)