韓国のビッグ・ピンク・ミュージックから、19年新規リマスター&限定ペーパースリーヴでのリシュー。見開き紙ジャケ仕様で、インサート、インナー・バッグ入、オビ付。ハンニバルは、ベーカルー・ブルース・ラインが70年に改名したグループで、本作は70年にUKのB&Cからリリースされた唯一のアルバム。メンバーは、アレックス・ボイス、エイドリアン・イングラム、ビル・ハント、クリフ・ウィリアムズ、ジャック・グリフィス、ジョン・パーカードの6人編成で、プロデュースはロジャー・ベイン、スリーヴ・デザインはキーフ。ベーカルーのマネージャーだったジム・シンプソンが、70年にイングラムとデイヴ・ペグ、コージー・パウエルでベーカルーの再編を企画したが、ペグはフェアポート・コンヴェンションへ、パウエルはビッグ・バーサ(ex.ベドラム)にそれぞれ留まったので、結局前述の6人のメンバーでベーカルー・ブルース・ラインを結成、ドイツ・ツアーの後ハンニバルに改名するという流れ。例えば、インディアン・サマー辺りをよりブルージー&ハードにした感じの、泥臭いブラス入りのジャジー・ブリティッシュ・サウンドを展開していて、ブルース、ジャズ・ロック、プログレのゴタ混ぜ感十分。そこそこバンド感のある演奏は悪くなく、適度にアングラな雰囲気もハマっていて、ヴァーティゴ&ネオン系の太さとサイケな香りもあるが、煮え切らなさと寸止め感も満点で、よくいえばゴッタ煮、悪くいえば焦点の定まらない中途半端さを放つ。そこを捨て難い味わいとして楽しむかどうかは好みと思うが、キーフのスリーヴも含め、ある意味典型的なB級ブリティッシュ・ロックという印象。
輸入盤/限定プレス
(Progressive/Psyche,Blues,Jazz Rock / Paper-Sleeve CD(2019 Re-master) / Big Pink Music/Korea)