UKのロック・キャンディから、74年のシングル両面2曲(B面はアルバム未収)をボーナスで加えての、24年新規リマスターでのリシュー。ストライダーはロンドン出身のグループで、ゲイリー・グレインガーとイアン・キューリー(ex.サムソン,etc)が中心となって72年に結成されている。本作は、74年にUKのGMレコードからリリースされたセカンド・アルバムで、確か邦題は「第三世代」。メンバーは前作からのグレインガー、キューリーに、新たにロブ・エリオット(ex.セカンド・ハンド,etc)、トニー・ブロック(ex.スポンティニアス・コンバッション,etc)、リー・ストルツェルチクを加えた5人編成、プロデュースはデーモン・リオン・ショウ。前作に比べストレートなハードネスが増して、R&Bの泥臭さやソウル色が後退している感じで、結果としてかなりハード・ロック然としたサウンド。ブルースを基調とした適度にキャッチーな楽曲と、タイトで引き締まった演奏の小気味よいマッチングは、例えばバック・ストリート・クロウラーのセカンド辺りに通じるブルージー・ポップ・ハード方面という印象。全体に、エリオットの太くて上手いボーカルとブロックのノリのよいドラムのハマりがが殊の外よく、前作とはまた違ったテイストのカッコよさを放っていて、ハード・ロック愛好家なら問題なく楽しめるだろうB級ハード系の好盤と思う。本作でバンドは解散、エリオットはセヴンス・ウェイヴへ、グレインガーはナショナル・フラッグを経てロッド・スチュワートのバック・バンドへ、ブロックはベイビーズへ。
輸入盤
(Pop Hard/Blues,Hard / Jewel-case CD(2024 Re-master) / Rock Candy/UK)