UKのオグンから、ペーパースリーヴでのリリース。見開き紙ジャケ仕様。ハリー・ミラーは南アフリカのケープタウン出身のベーシストで、センティピード、オヴァリー・ロッジ、アーク等のキース・ティペット関連や、エルトン・ディーンズ・ナインセンス、クリス・マクレガーズ・ブラザーフッド・オブ・ブレスの他、マイク・ウエストブルック、ボブ・ダウンズ、ルイス・モホロ等々での活動で知られていると思う。本作は、77,78,82年の未発表スタジオ音源をコンパイルしたアルバムで、ミラー関連の発掘音源シリーズ「ディファレント・タイムズ、ディファレント・プレイシズ」の第2弾。メンバーは、77年がミラー、ルイス・モホロ、トレヴァー・ワッツ、アラン・ウェイクマン、バーニー・ホランドのクィンテット編成、78年がミラー、モホロ、ワッツ、ウェイクマン、キース・ティペットのクィンテット編成、82年がミラー、モホロ、ワッツ、アラン・トムリンソン、デイヴ・ホールズワースのクィンテット編成。75年のモンゲジ・フェザの急逝を契機として、ミラー、モホロ、マクレガー、デュデュ・プクワナ等の南アフリカ出身ジャズメン達による、南ア時代のザ・ブルー・ノーツ再編の動きが起こり、その流れの中で発生したセッションを集めたもののようだ。全曲ミラーのペンによるナンバーで、勿論インプロが炸裂してはいるが、カッチリと譜面通りと思われる部分もけっこうあって、それなりにリハーサルを経た上でのレコーディング・セッションに聴こえる。いわゆるアフロ・ブリティッシュ・ジャズ的な楽曲を基調に、時折弓弾きも交えながらミラーのウッド・ベースはほぼ弾きまくっていて、モホロのドラム、ホランドのギター、ティペットのピアノも圧巻の炸裂を見せる。全体にハイテンションな演奏を堪能出来る文句なしの好盤と思う。
輸入盤
(Progressive/Jazz,Afro-British Jazz / Paper-Sleeve CD(2016) / Ogun/UK)