ドイツ/UKのレパートリーから、08年新規リマスター&限定ペーパースリーヴでのリシュー。見開き紙ジャケ仕様で、音質はクリアで迫力もあって非常によい。オシビサは、ガーナやナイジェリアの西アフリカやカリブ海の西インド諸島などの、旧イギリス植民地国出身の黒人ミュージシャン達によって69年にロンドンで結成されたグループで、ブルース、ファンク、アフリカン・エスニック色がミックスされた、独特のグルーヴ感を放つアフロ・ジャズ・ロックを展開した。本作は、71年にUKのMCAからリリースされたファースト・アルバムで、メンバーは、ウェンデル・リチャードソン、ロバート・ベイリー、テディ・オセイ、スパルタカス・R、ソル・アマルフィオ、マック・トント、ローティ・アマオの7人編成、プロデュースはトニー・ヴィスコンティ、スリーヴ・デザインはロジャー・ディーン。いわゆるブリティッシュ・アフロ・ジャズ・ロックの中では、最も知名度のあるバンドの1つと思うが、リチャードソンのブルージーなギターを軸に、分厚いブラス隊とパーカスも交えた太く跳ねるリズム隊が交叉する演奏は、独特の濃さとヨレがあってわりと素直にカッコいい。楽曲は前述の通りゴッタ煮感十分で、ブリティッシュ/アフロ感という意味では、例えばクリス・マクレガーズ・ブラザーフッド・オブ・ブレスやアサガイ辺りにも共通項は感じられるが、アフロ的リズムやスピリチュアル感の強さは、むしろデーモン・ファズやスウェガス、ボブ・テンチのガス辺りに近似する部分が多いかも知れない。この素敵なスリーヴも含め、ともかくもこのアフロ民族音楽色とジャズ・ロックの折衷は面白く、チェックしてみてもいいと思う。
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(Progressive/Afro Jazz Rock,Blues / Paper-Sleeve CD(2008 Re-master) / Repertoire Records/German,UK)