UKのオペレーション・セラフィムから、10年新規リマスターでのリシュー。エニドは、バークレー・ジェームス・ハーヴェストのオーケストラ・アレンジ等を担当していたロバート・ジョン・ゴドフリーが、73年にロンドンで新たに結成したグループで、ゴドフリー以外のメンバーの数多の変遷を経ながら現在も活動を続ける、ブリティッシュ・クラシカル・プログレ系のビッグ・ネームの1つ。本作は、76年にUKのBUKからリリースされたファースト・アルバムで、オリジナル・マスターを現メンバーのマックス・リードがリマスタリングした、オリジナル・ヴァージョンでのCD化。メンバーは、ゴドフリー、ステファン・スチュワート、フランシス・リカリーシュ、ネヴィル・キャバノー、グレン・トレット、デイヴ・ストーレイ、ロビー・ドブソンの7人編成のはずだが、ドブソンのクレジットがない。曲によってデイヴ・ハンコックがトランペットで適時ゲスト参加、プロデュースはジョン・シンクレア。セカンド「エアリー・フェアリー・ナンセンス」と共に、ブリティッシュ・クラシカル・プログレ金字塔の1枚で、「フォーリング・タワー」のテッテケ調のギター・イントロに意表を突かれるが、全体としてはスリーヴのイメージ通りの絵に描いたようなクラシカルなサウンド。甘美なツイン・ギター、オーロラのように幾重にも重なるキーボード群、澄み切った透明感のあるピアノ、メロディアスなベース、歌心のあるドラム、的を射たクラシック調のパーカスによる演奏は、ともかくもドラマティックで上手く、エレガントな楽曲と相俟った非常に美しい音像を堪能出来る。これ程耽美的なロックも珍しいかも知れないが、クラシカル・プログレ愛好家ならまずもって楽しめるだろう好盤と思う。
輸入盤/デッドストック入荷
(Progressive/Classic,Symphonic / Jewel-case CD(2010 Re-master) / Operation Seraphim/UK)